episode4 ーDancing Of Harpieー
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る。
そこにはあの魔法陣が健在、むしろより多くの魔力を集めていると言っても過言ではない。
瞬間的に察する。
ーー何か来る!と。
「鳳凰の陣のもう一つの効果!
破壊したモンスターの中で最も攻撃力の高いモンスターの元々の攻撃力分のダメージを与える!」
レンカのレッドアイズは一律に攻撃力2400。
つまり、一度にライフポイント4000のう内、半分以上ものダメージを直接受ける事になるのだ。
「さぁ、正体を見せない!!」
舞の力強い宣言とともに魔力を帯びた風が渦巻き、翼竜の姿を形取る。
「ッ!!」
その姿はまさしくレンカの操るモンスター、レッドアイズそのもの。
「やれッ!」
命令が下され、レッドアイズが主人へと牙を剥く。
「ッ!アァァァァ!?」
2400ものダメージは凄まじい衝撃となり、レンカを襲い、その小柄な体を後方へと大きく吹き飛ばす。
そして、同時にレンカにとって、最大の悲劇をもたらす。
「くっ……うぅ……。」
吹き飛ばされた際に背中を打ったのか、腰あたりを摩りながらゆっくりと立ち上がる。
その時、ふと違和感を感じる。
(あれ、明るい……。視野が広い?)
もしや、と思い、頭のあたりをまさぐる。そして、懸念は最悪の形で確信へと変わる。
レンカを吹き飛ばした衝撃は同時に頑なにレンカの素顔を隠していたフードをも剥ぎ取ったのだ。
そして、フードの奥に隠されていたのは、艶のあるしなやかな紅い髪を後ろで結んだ少女。
ついに顔を現したレンカへとドーム内の人という人は興味の視線を浴びせる。
「…………ひっ??」
観客の誰ともわからない人と視線が交差し、思わず小さな悲鳴を漏らす。
心臓が早鐘を打ち、次第に眩暈が襲う。胃からモノがこみ上げてくる不快感と息苦しさに思わず膝をつき荒い呼吸を繰り返す。
「こ、これはどういうことだぁ?だ、大丈夫か、レンカ選手!?」
焦りと不安をないまぜにしたようなMCの声がドーム内に響くが眩暈のせいかひどくゆっくりと聴こえてくる。
レンカがフードで素顔を隠し、頑なに正体を隠した理由こそが今のレンカの急激な不調の原因である。
それはパニック障害の一つ、あがり症。
極度の緊張状態に起こる病気の一種だが、レンカの場合は特に大勢の人の前に立つ場合だ。
プロデュエリストとなるために必ずと言っていいほど、対処しなければならない課題であったコレはマネージャーである橘 楓と相談した結果、思いついたのがフードを被り、外界からの情報をほぼ全てシャットアウトする事。結果的に課題をクリアし、平常通り決闘できるまでになったものの、克服したわけではない。
プロとなってから頑なに避け続けていたためにプレッシャーに
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