episode4 ーDancing Of Harpieー
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放されてもらえたと思ったら、楓さんの熱の篭った瞳に直視され気恥ずかしくなってしまう。返答に戸惑っていると、開けられたままだったカーテンから顔を覗かせたのが一人。
「あら、お邪魔だったかしらね。」
「にゃっ!?」
「ちっ、ホント、いいタイミングで来てくれましたね〜。このKY。」
ニヤニヤとしながら舞さんが現れる。そして、レンカはその言葉の意味を理解するや顔を瞬間湯沸かし器の如く赤らめ、布団の中に潜ってしまう。一方の楓は明らかに不機嫌となり、嫌味を盛大に込めた敬語で毒を吐く。
「アンタに構ってるほど私も医者も暇じゃないのよ。ほら、先生呼んできたからレンカも起きない。」
「…………うぅ、死にたい。」
もぞもぞとたっぷり数十秒かけて布団から這い出てきたレンカに簡単に診察を済まし、「無理は禁物」と医者直々に言うと足早に立ち去ってしまう。
「まぁ、いかんせん。大事にならなくてよかったです。」
「そうね。私も倒れられた時は焦ったわよ。
あと、レンカ。アンタの事は詳しく知らないけど、倒れない程度にはするべきね。」
直後、舞さんの言葉を聞いた楓さんの目が光った……気がした。
「やっぱり、舞さんもそう思いますよね!だから、レンカさん!プレッシャーに慣れるために、衣装の変更を提案……否!命令します!」
「どうして、そうなるのか理解に苦しむわね。それと、あの娘なら話の途中からベット抜け出して出て行ったわよ。」
「なんですとっ!?」
ハッと楓は医務室の出入り口へと視線を向けるとそこにはそろりそろりと部屋を出て行こうとするレンカが居た。
「ひいっ!?」
「あっ、逃げた。」
「ふふふ、いい度胸ですね、レンカさん。私から逃げられるとでも?」
ばれたのに驚いたのか、小さく悲鳴を上げ、ダッシュで逃げてしまう。そして、テンションが上昇し過ぎ、振り切れている楓は愉悦の笑みを浮かべ、レンカの後を追う。
そして、一人残された舞はと言うと、
「はぁ……なんなのよまったく。」
ため息混じりに一人愚痴を吐いた。
その後しばらくして、
涙目になりながらも逃げる少女とそれを追う変態の姿が目撃されたとか。
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