暁 〜小説投稿サイト〜
遊戯王GX 〜漆黒の竜使い〜
episode4 ーDancing Of Harpieー
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「あ、レンカさん!」

プロデュエリスト同士のデュエルが始まる少し前、いつもの控え室にてレンカはデッキ調整も兼ねて自分の現し身とも言える『レッドアイズ』デッキを弄っていた。

「ちょっと、レンカさんってば!」

名前を呼ばれ、ハッと我に帰ると目の前にはマネージャーである橘 楓が立っていた。
恐らくデッキ弄りに夢中になっていたため、彼女が入ってきたことに気がつかなかったのだろう。内心で軽く反省すると、何の用だと目で訴える。

「ようやくこっち見てくれたましたね。
今日の対戦相手と偶然会ったんですが、ちょっと大物でしたよ。」

本来なら、対戦日程が組まれる早くても一週間前くらいには対戦相手となる決闘者の名前が明かされる。だが、稀にソレが決闘が始まる直前まで知らされないことがある。例えば、対戦日の調整が合わなかったり、相手が相当の大物だったりする場合だ。
今回の場合は後者。過去に輝かしい栄光を残した人物なのだろう。
そして、彼女が少し上機嫌であるのもその人物に合ったからと推測される。
で、肝心要のその決闘者とは、一体……?

「教えません。」
「へ?……なんで?」

てっきり教えてくれるものとばかり思っていたレンカは自分のキャラにーー合わないーー情けない声を出してしまう。それに気を良くしたのか彼女は、ニンマリと笑みを作り、控えめなヒントを出してくれる。

「そうですね。ヒントは『真紅眼の黒竜』に関係の深い人……ですかね?多分。」
「……レッドアイズと?」

レッドアイズと関係が深い……。
そうなると考えられるのは、一人だ。
伝説の決闘者、キング オブ デュエリストなど様々な敬称で呼ばれる武藤 遊戯さんの友人にして、伝説の時代を生きた一人

ーー城之内 克也

『真紅眼の黒竜』の使用者としてもっとも有名な決闘者であり、レンカが密かに尊敬の念を寄せる一人でもある。

「おっと、そろそろ時間ですよ。」


ちょうど目星がついたところで時間を迎える。
プロの証しとも言えるブラックデュエルディスクを装着し、フードを眼深く被り、今から敵対する未知の決闘者ーー城之内さんだといいな。ーーとの決闘に覚悟を決める。

「健闘を祈ります。」

彼女の応援を背に受け、控え室を出、決闘の場へと向かう。
その足取りはいつもより軽かった。


ちなみに、対戦相手を推測する際、『真紅眼の黒竜』の元々の所有者であるダイナソー竜崎の名前も上がったのだが候補から即刻消去されたとかなんとか。




◆◇◆

「さぁ!!今宵もやってきたこの時がぁ!!」

熱気渦巻く毎度おなじみ海馬ドームに紅いジャケットを着たMCの声が響く。

「まず、登場するのは未だ無敗記録を保持する孤高の決闘者、漆黒の竜使
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