異変終了ー日常ー
Part17 宴会の準備
[1/7]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「はぁ!?まだ到着してねぇの!?」
俺の声に、左右にいたチルノとルーミアがうるさそうに耳を塞いだ。
俺が今いるのは、博麗神社前の開けた場所。
今夜宴会が開かれる予定のここでは、あらゆる物がどかされており、準備する手前辺りで作業がストップされている。
ストップしている理由は、紅魔館組にさせる予定だからだろう。
さて、実は今、少し困ったことになっている。
俺は宴会の酒調達係に任命され、人里へ赴き、酒を買い、レミリア達が先に行っていると思って博麗神社に直行したのだが、霊夢に聞いてみると、どうやらまだ他のメンバーが来ていないらしい。
俺達は何度か休憩を挟みながら来たつもりだし、時間だって、今は4時くらいだろう。
だが、レミリア達は3時にここへ着けるように準備していた筈だ。
あの人達は空を飛べるし、ここまで30分もかからないだろう。
なのに、まだ来ていない。
何かトラブルがあったのだろうか。
スカーレット姉妹に咲夜さん、パチュリーさんが揃っているのだから、大抵の問題は解決できそうだが……。
うーむ……。
「はあ……たくっ、おっそいわね……」
お賽銭箱の上に座りながら、霊夢はイライラした様子で呟いた。
イライラするのは勝手だが、お賽銭箱の上に座るというのは如何なものか。
あれ、絶対にいつか天罰が下る。
「本当だなぁ。なあ有波、あいつら本当に来るのか?」
「まあ、はい。来るとは言っていたので、間違いないかと」
木の上に腰掛けた魔理沙が問いかけてくる。
あぁ、間違いない。確かにあいつらは来ると言っていた。
……本当に間違いないよね?
俺が居ない間に、『やっぱ行かなくていいかな』なんて事になってないよね?
信じるよ?
俺だけ仲間外れとかなってたら、レミリアお嬢様の寝室の前で泣くよ?
シクシクシクシク泣いてビビらせてやるよ。
お嬢様、吸血鬼のクセに怖がりだからな。
夜中にやれば効果抜群だろう。
その後はナイフの錆になるだろうが、死ななきゃ安い。
「あ、噂をすれば来たわね」
霊夢が呟いた。
その視線の先にある空を見てみると、四つの人影が見えた。
黒い悪魔のような翼の影に、宝石のような翼の影に、メイド服のようなものを着た影に、パジャマのような影。
四つ影は高速で動き、たった数秒で何百mもの距離を縮めて俺達の前に降りた。
あぁ、良かった。
ちゃんと来た。
レミリアお嬢様、命拾いしたな。
空から降り立ち、砂埃の中に佇む四人。
その先頭に立つレミリア・スカーレットを、お辞儀をして出迎えた。
「どうも、レミリアお嬢様にフランドールお嬢様。執事有波、ご命令通りに……」
近付いて
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ