暁 〜小説投稿サイト〜
東方紅魔語り
異変終了ー日常ー
Part17 宴会の準備
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くるレミリアお嬢様に頭を下げーー、
 ていると、頬に鋭い衝撃が走った。
 視界がハッキリとしないまま、地面に激突して俺の顔が沈没した。
 い、ががががが……な、なん、何だ?

「お嬢様……バカを始末しました」
「ん、ありがと」

 地面から顔を上げると、俺の前を素通りしていくレミリア、咲夜、パチュリーが目に映った。
 位置的に……俺を蹴り飛ばしたのは咲夜だな。
 俺が何をした。

 と疑問を持っていると、フランがクレーターと化している俺の近くに降り立った。

「大丈夫?」

 大丈夫?
 この一言が、俺の心の奥深くに染み渡る。
 おぉ、女神よ。
 フラン様。貴女だけですよ、私の身を案じて下さるのは。

「えっと、お酒を有波が買って戻ってくるって思ってて、でもいつまでも戻ってこないから、咲夜が怒って……」

 ……あ、そういう事でしたか。
 それは悪いことをした。
 レミリア達が遅れてきたのは俺が理由だったのか。

「えっと、すみませんでした」
「……まあいいわよ。あんたの行動も、先を見通した結果だし」

 レミリアお嬢様からはアッサリとした許しの言葉を頂いた。
 フランは最初から怒ってなさそうだし、パチュリーは始めからどうでもよさそうな顔をしている。
 咲夜さん……の顔は見えないが、ナイフではなく蹴りが飛んできた辺り、実はそこまで怒ってないのかもしれない。
 ナイフでは無理だと判断して、物理に変えた可能性もあるけど、深くは考えまい。

 考えない方が幸せになれるのだ。

「さて、集まったわね。紅魔館の連中には早速動いてもらうわ」
「何をすれば?」
「メイドは料理を、外に出れない吸血鬼姉妹はメイドのサポート。盛り付けはパジャマ魔法使いね」
「誰がパジャマだ、誰が」

 霊夢がちゃくちゃくと役割を決めていく。
 レミリアとフランの手伝い……。
 ……大丈夫、かなぁ?

 って、あれ?俺は?

「霊夢さん、俺は?」
「あんたはぁーーー、『テーブルの設置』と『宴会場の掃除』、『料理と酒の移動』」
「意義あり!」

 そう叫ぶと、霊夢にキョトンとした顔をされた。
 なんだその表情は。
 というか、なんだ俺のその仕事量は。
来なければ良かった、と今心の底から思っているぞ。

「なんで俺だけそんな仕事量が……?」
「執事だから当たり前でしょう?」

 執事だから……だと?
 じゃあそこにいるメイドはなんだ。
 執事とメイドだと、俺の方が位が高そうな気がするのだが、その辺りはどうなんだ……!?

「別にいいじゃない。紅魔館の執事なんだから、それくらいは朝飯前でしょ?」

 そこへレミリアからの援護射撃。
 俺からしたら追加攻撃だが。


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