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傾奇
7部分:第七章
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だった。
「それぞれの持っているものがありじゃ」
「そこを進むからこそですか」
「人は面白いのじゃ。ではわしもじゃ」
「殿もこれまで通りですな」
「傾いていくわ。そうしていくぞ」
「そこは幼い頃から変わりませんな」
 柴田は少し呆れた顔になった。だがそれと共にだ。
 彼もまた笑みを見せてだ。こう言うのであった。
「しかし殿らしいですな」
「だからじゃ。傾いていくぞ」
「ではわしは堅物を通します」
「それがわしの意地じゃ」
 そうなるとだ。信長は言いだ。柴田に二人が謹慎が解けたことを伝えよと命じた。そしてそれからすぐにだった。二人に拳を振るうことになった。


傾奇   完


                           2012・3・30

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