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Muv-Luv Alternative 士魂の征く道
第三三話 インダストリアル・エヴォリューション
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力と挙動を可能と出来るようになっている。」
シミュレータをのぞき込む今井少尉に忠亮が答える。
HOTAS概念、それは戦闘で頻用する機能をコントロールスティックに集約し手元の操作のみで素早く使用を可能とする設計思想である。
戦術機もこの構想に沿って設計はされているが如何せん、操縦システムとしては航空機の流れを汲んでいる為、近接戦闘に対応するには不十分というのが忠亮の見地だった。
そして、従来であれば歩行・ジェット・ロケット、などの切り替えスロットル入力と機体状態をコンピュータが統括判断しての自動切り替えとなっていた。
それを前後の歩行・走行を操縦桿に写し、スロットルは完全に跳躍ユニットの制御に移されている。
コンピュータの判断に一任させていたのを衛士の脳の機能振り分けに任せることで加減という曖昧な判断基準をどの指で操作するか、という明確な判断基準に切り替えているのだ。
之は衛士が機体状態を認識しつつの操作をする際に下手に自動化を押しし進めた結果、逆に認識を複雑にしてしまっていたからだ。
また操縦桿に追加されたスティックにより、機体の上下も操縦桿に振り分けられた為、より細かい立体機動―――従来が上下左右に限定されがちだった機動に前後の概念を付与することに成功していた。
「また、機体モーションも衛士が予めいくつかの連携パターンを設定することが可能にしてある、これによって単発の斬撃ではなく連携した斬撃……つまり、剣術における技の使用を可能とした。」
「……!それはすごいね。」
恐らく、この中で一番己に近しい価値観を持つ甲斐が驚きを表す。
現在の戦術機は単一モーションごとに硬直時間が発生している。それは剣術の胆である斬撃の連携……即ち技の使用を阻害していた。
之は剣術の経験が深い者にとっては恐ろしく歯がゆいのだ。
それを解決するシステム。しかも衛士が此処に予めカスタマイズ可能としてある。
それは画一的な、単純としか言えなかった近接戦闘に複雑な個による個の連携、そして個性という概念を付与する画期的ともいえるシステムだった。
「如何せん俺は剣術しか取り柄が無くてな、射撃に関してのモーション等の戦術構築は君の協力を得たい、今井少尉。」
「私…ですか?」
急に振られたことで目を丸くする今井智絵少尉。近接・遠距離問わず彼女はガンファイトのエキスパート、ガンシリンガーとして有名だ。
その射撃のプロとしての見地を期待していた。
「俺も射撃にはそれなりの造詣はあるが達人の思考には到達出来ていない。このシステムの本懐は達人の技量を普遍化させることにある。
射撃と白兵、それぞれに特化した衛士と経験の浅い衛士の三者が必要とされた理由がそこにある。」
元々この
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