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Muv-Luv Alternative 士魂の征く道
第三三話 インダストリアル・エヴォリューション
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なのだ。
エースの搭乗を前提としたシステムではダメなのだ。誰が扱っても一定の成果を引き出せるそういうシステムで無いと……唯依を守れない。
唯依との未来を生きるには国家存続は必要不可欠。
故に日本という国の未来を切り開く路を拓かねばならない。
その為にはすべての状況に対応可能な兵士を育成するのでは意味がない。
他人の技量を充てにする戦術なんぞ下策。さらに兵器デザイナーは人間を侮っても、過信してもダメだ。
戦国の乱世に於いて騎馬よりも足軽と槍を使った歩兵戦術が主流となったように、どんな人間が扱っても一定の能力を確保可能。そういう仕組みを作らねばならない。
其れが衛士としての路を断たれた男が辿り着いた戦闘設計思想なのだ。
「システムの特徴として網膜投影と感覚欺瞞を用いた空間タッチパネルを採用しコンソール類を省略があげられます。これにより操作の簡易化と視認性向上による確実性それに部品点数削減によるコストダウンを見込めるでしょう。
そして、操縦席全体が機体速度に応じて姿勢を変えることで衛士に掛かるGに対しリアルタイムで最適化されることで衛士の負担軽減を行います。」
「なるほど、新任衛士の肉体面が追い付けていない場合と直感的に正しい操縦が分かるようにする仕組みというわけですか。
そして、それはそのまま熟練衛士にとっても軽減された負担分、より高い能力を発揮できる―――!」
通常、衛士としての路を断たれた者はその経験を生かすべく、教導官や指揮官オペレーター、戦術研究などの就く。
自らが搭乗していた兵器種の改良に従事するのは珍しい、事主導となればほぼ皆無だ。
強いて例外を上げるのなら、F-15・F-16で機動性エネルギー理論とHi-Lowミックスを打ち立てたジョン・ボイドが該当するくらいか。
この二機種がアメリカ軍と対BETAの中核を成しているのは疑いようのない事実。
之はその再現でもある。
(五摂家が一つ斑鳩家が主、斑鳩崇継。若くして当主を任せられるのも当然とも言うべき見事な采配……人を動かす才は摂家の主全員の中でも飛びぬけているという訳か。)
唯依の説明を聞きつつ、この人事を配した斑鳩崇継の先見の明に戦慄と軽い興奮を覚える清十郎。
目の前の蒼を纏う、元は黒だった青年も紛うことなき傑物だが、二人はタイプが違う。
二人が揃う事でまだ見ぬ大きな変革が起きる予感があった。
「操縦桿も変わっているようですね。」
「HOTAS概念と人間工学を推し進めてな、右の操縦桿で機体の上下左右に前後、即旋回すべてを操作できるように設計を見直した。
そして左の操縦桿で機体のモーションを選択、右操縦桿による入力とをコンピュータが統合、機体のより柔軟な入
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