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desert cats' counter
プロローグ
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。」

「はぁーい……」

彼女はグリードが一切目を合わせてくれないからか、少しすねたように去っていった。

「ここに入れ。温泉だ。」

すぐ横に流れていた川の近くに小さな囲いがあった。湯気が出ていたのでかなり温かそうだ。

「心配するな。体を拭くものはある。」

そうではなく茶色く濁っているのが嫌だったのだが、贅沢言ってもいられない。
湧き出た水は予想以上に熱く、完全に浸かるまで時間がかかる。

少し肌が慣れてきたところでグリードも入ってきた。

何か言うのではないかと思って待っていたのだが、一向に話し出す気配がない。
何故あなたは僕を助けたんですか?
そう聞けばよかったかもしれないと、今になって思う。

「傷、染みないんですか?」

睨むでも呆れるでもなく、ただ前を見据え、大丈夫だ、と一言。

お互いを正面に見ることなく時間は過ぎ、凍りつきそうだった僕の体は徐々に昨日を取り戻していった。

グリードは温泉から上がり、全身を震わせて水飛沫を飛ばす。そして、なぜか草むらに戻ってしまった。

慌てて追いかけると、そこには何かの実がなっていた。

「吸水性の高い実だ。使え。」

きっとこれがさっき言っていた体を拭くものだろう。
タオルほど感触は柔らかくないものの、軽く残った水気を無くすには十分だった。

「俺はこれから狩りに出る。付いてくるもよし、ここで待つもよし。日が沈むまでには戻る。」

僕の頭の中に付いていかないという選択肢は無かった。それを見透かした上で言っているのも分かった。
グリードは何かに迷っているのだろう。
口数の少ない彼だからこそ何の変哲もない言葉にも重みがある。
言い方の問題かもしれないが。

「あまり前に出るな。」

そんなに危険な狩りなのか?
そもそも狩りなど初めての僕にとってこれから何が起こるのか、全く想像もつかない。

「また会ったね。」

いつの間にか背後にあの女性がいた。

「うちのボス変わってるでしょ?あんまり真に受けない方がいいよ?」

ボスは多分グリードの事だ。

「あたしみたいに適当に生きたほうが楽。本気で付いていくなら覚悟がないと。」

何を覚悟するのかは分からなかったが、自分が変わらなければいけないのは分かった。

「あたしはフルーメル。」
フルーメルさんは、絶対に僕なんかが手の届く存在じゃなかった。

「よろしく。」

その笑顔にルナミアを重ねてしまう。
あの子は今何処にいるんだろう。

「行くぞ。」

そう呟くと同時に辺りから五、六匹の猫が現れ、グリード、フルーメルと共に走り出した。

一瞬体が固まり、次に追いかけなければいけないと思った。しかし、先程の言葉がまた僕の足を固
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