その2話 1ー1=0
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から俺達の話を聞いていた!?」
「弥生土器の作り方からです」
「朝飯食ってる時からだとぉ!?」
「落ち着いて米田!」
「ハッタリかもしれん!」
「っ、そうか」
砂種は深呼吸をした。
「弥生土器の作り方ぁ、その1、天地に祈りを捧げ……」
「ハッタリだったぜ!」
砂種は勝ち誇ったように叫んだ。
「はぁ、バレてしまいましたか、いかにもぉ、カマをかけただけです。しかしぃ、あなた達が今、重要な情報を持っていることはぁあ、明らかなんだよぉ!」
智羅地は目をギラリと光らせた。
「逃げるぞ!」
砂種は叫ぶや否やその場を駆け出した。
「ハハハハハッハハハハ!」
智羅地の狂った叫び声を、破壊音が掻き消す。
「くそっ!」
砂種は後ろで何が起きているのか恐怖しながらも、前のみを見て走り続けた。
スッ
砂種の目の前に、突如少女が現れた。
「呼応して、私と」
感情の感じない、ガラスのような声。
「ああもう、呼応でも龍でもしてやるよ!」
少女は右手をゆっくり前に出した。砂種も、返すように左手を前に出す。
「これで何が……」
「バーカ嘘だよ」
「は!?」
「よくやったレイコぉ!」
背後から智羅地の叫び声。
「しまった!時間を稼がれっ……」
「塵と化せぇ!」
ゴワアァァァアァアァァア!
「うわああああああああああああ!」
こうして俺達は、灰になった。
予告時間の2分前、彼は呑気なマンボウと共に空に浮かんでいた。
「さぁて、そろそろショータイムの舞た……え?」
マンボウの窓から外を見た彼は、間抜けな声を上げた。
「おい爺や、学校が消えてるぞ!どういうことだ!僕を説得する位に説明してみろ!」
「申し訳御座いません、私にもなんとも」
爺やは弱々しく頭を下げるばかりだ。
「クソッ……!」
彼は汚く毒づいた。はしごを降ろして直接見ても、そこがただの更地になっている事実に変わりはなかった。
彼は怪盗の経験が浅い。しかし、今目の前で起きていることが異常であること位は怪盗の本能で感じ取っていた。
「帰るぞ、爺や」
彼は上に向けてそう命じながら、引き揚がるはしごを登った。
「絶対に、『スープと宇宙船と肉』は手に入れてみせる……!」
マンボウは相変わらず呑気に、空に浮かんでいた。
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