第７６話 強敵だった奴もコツとか経験値とか積みまくってる内に気が付いたら雑魚キャラになってるのは日常茶飯事
[2/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
たい。
とにかく、このままこの場で地団太を踏む訳にはいかない。そうこうしている間にも部屋の火災は燃え広がっている。敵はゲル状生物だけでなくこの空間自体も銀時に対して牙を剥く有様であった。
「なろう！ こんな所で丸焼けなんて御免だ！ こうなりゃもう一度―――」
再度、銀時は白夜を抜こうと渾身の力を込めた。銀時なりに全力全開で引き抜こうとしたつもりなのだが、それに対し白夜はやはり先ほどと同じように根本しか姿を見せない。
その間も部屋の火災は強まり、ゲル状生物は勢いづいてくる。
「づっ！」
一体の攻撃が銀時の右肩を掠めた。肩口の服が裂け、その後から鮮血が辺りに飛び散る。飛び散った鮮血を見てゲル状生物達が歓喜の雄叫びを挙げ始める。いよいよになってやばい状況になってきた。
打つ手はなく、肉弾戦も無理、その上時間的猶予もないと来た。
「どうする……こりゃマジでやばいぞ」
銀時は心の底から焦り出し始めた。力押しが出来ればどうと言う事はないのだがそれが通じない相手となると性質が悪い。その上、こいつら無機物の癖に偉く知恵が働く。先ほどから何度か刃を叩き折ろうと挑戦はしているのだが、その度に粘液体を盾代わりにして前面に押し出してくる為に上手く攻撃が出来ずに居るのだ。
触れればどんな物でも溶かしてしまう液体。それさえ無ければとっとと刃を叩き折ってこんな場所からおさらば出来るのだが。
「こんな事なら木刀の予備でも注文しとくんだったぜ。ま、即日注文したとしてもこんなんじゃ間に合わねぇだろうがな」
悪態をつき、遂に銀時は白夜を抜くのを諦めた。鍔に持ち替えて何時も通りの体制を取る。
「へっ、こうなりゃやけくそだな。散々暴れ回って高杉の財政にでっかい大穴開けてやろうじゃねぇか。ってか、もう空いてそうだけどこの際でっけぇ大穴にしてやるよ！」
覚悟を決め、ゲル状生物目がけて特攻を掛ける。いや、これは最早玉砕であった。ゲル状生物に打撃は通用しない。それに下手に近づけばそいつらに抱き付かれて溶かされるのがオチだ。だが、打つ手がないのであればこの際どうなろうと構う事はない。派手に暴れて運が良ければ助かる。悪ければそれまで。今までと何ら変わりない事を今回もするだけの事だ。
「おらおらぁ！ 俺の玉取りてぇんなら気合い入れやがれ！」
怒号を張り上げ、ゲル状生物の群れの真ん中に陣取る咄嗟の動きにゲル状生物達は反応出来ずゆったりと方向転換し始める。
「おせぇんだよ！」
その前に白夜の一閃が輝いた。無論、鞘付なので殺傷力はないが、勢いよく振り回したお陰でゲル状の粘液を弾き飛ばす事は出来た。後は真上で浮遊している紅桜の刃を破壊すればゲル状生物は機能しなくなる。
「今度出て来る時はメタルスライム
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ﾍﾟｰｼﾞ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿ｻｲﾄ〜
利用規約/ﾌﾟﾗｲﾊﾞｼｰﾎﾟﾘｼｰ
利用ﾏﾆｭｱﾙ/ﾍﾙﾌﾟ/ｶﾞｲﾄﾞﾗｲﾝ
お問い合わせ
2024 肥前のﾎﾟﾁ
しおりを解除