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渦巻く滄海 紅き空 【上】
八十七 彼女の決意
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』を利用した【蛙組手】の劣化版。

つまり【蛙組手】と【桜花衝】の併用を考えついたのである。
次郎坊の【土牢堂無】も自分のチャクラと自然エネルギーを用いる事で、破ったのだ。

実際【蛙組手】と【桜花衝】を併用するほうが難しいのだが、そこは【分身】さえも出来なかったにも拘らず上級レベルの【多重影分身】を会得してしまったナルである。
勿論本来の仙術に比べれば、まだ三分の一程度の力しか発揮出来ていない。その上、自然エネルギーの危険性故に長時間の使用は不可能である。
けれどもその反面、無意識に、しかし着実にナルは仙術を会得出来る道を進んでいたのであった。




突然、次郎坊から妙な気配を察して、ナルは飛退いた。油断せずに警戒する彼女の前で、ずぶり、と禍々しいチャクラが迸る。
身体に纏わりつく模様。首筋から、まるで蛇のように次郎坊の半身を覆い尽くすソレにナルは眼を見開いた。
(あれはサスケの…!?)

同班のサクラから、サスケの【呪印】について伝え聞いていたナルは、そのまま変形してゆく次郎坊の姿に愕然とする。
一気に【状態2】に変化を遂げた次郎坊は異形の身と化していた。
髪は長く伸び、額や腕には疣のようなものがある。今にも鬼の角が生えてきそうなその容姿は、まるで夜叉だ。

いきなり姿を変えた次郎坊に唖然とするナル。その様子を他人事のように眺めていた次郎坊は自らの身体を改めて見下ろした。
(この姿ももう見納めだな…)
身体に刻まれた忌々しい印。ソレに身を任せるのもこれが最後だ。
自分にそう言い聞かせ、次郎坊はナルを見据えた。

先ほどまでは【蛙組み手】以外にも術を隠し持っているのでは、と慎重になっていた。だがそれは逆に言えば、相手が奥の手を出す前に動けば良いという事。
故に次郎坊は【状態2】になったのだ。

「悪いが…ここで一気に片をつけさせてもらうぞ」














「妙だな…」

不気味な静けさの中で、ネジが眉を顰める。先ほどから慎重に【白眼】で周囲を見渡していた彼は、シカマルに問うた。

「相手は俺達が追い駆けて来ている事など承知の上だ。それなのにトラップが一つも仕掛けられていない…シカマル、これをどう見る?」
「舐められてんだよ」
ネジのもっともな質問に、シカマルは淡々と答えた。
「アイツら、後から来るのはナルと闘ってるあのデカイ野郎だけだと思ってる。味方に罠は張らねぇだろ」

実際、シカマル達は次郎坊以外の三人と顔を合わせている。
故に、木ノ葉からの追っ手が来ていると知っていながら、現状のように罠が何も仕掛けられていない意味が示す答えは決まっている。

「そう見て間違い無さそうだな。確かに、完全に舐められている」
シカマルに同意したネ
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