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ファイアーエムブレム 〜神々の系譜〜
第二章 終わらせし者と月の女神
第十話
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だ。
 それに今は亡き父もおっしゃっていた。
 
 『人を愛し、アグスティに忠誠を。妹は良き姫となり民に慕われるだろう。弟はお前にない才を持つ、こき使ってやれ。あいつは王には成れぬが王の右手としては最高の人材だ。見捨てることはなきよう。我らは家族だ、家族を愛せよ。さすれば良き王にお前は成ろう』
 
 取り合えずはこの政治的な難局を如何にして乗り越えるか、当分はそれに重きを傾ける。弟が居なくても、私は王としてやるべきことが多くある。当然苦労も増える。
 弟が帰ってきたらこの苦労を分け与えてやろう。領地はこの都から北西のハイラインとの国境近くをやろうか。
 




 「ぶぁくしょっん!!!」

 「身体でも壊したか?」

 自分の身に降りかかる悪寒。誰か俺の噂でもしているのであろうか。もしかしたら、暗殺とかそういった類のものを仕掛けようとしているのか?
 一応、この後の歴史を知っている者として警戒はしておかなければならない。

 「いえ、そういう訳では。すいません」

 「ならいい、マディノまでもう少しだ」

 「そうですね。ブラギまで後はオーガヒルを超えるだけだ」

  オーガヒルは海賊の巣窟だ。その首領は義を心情とする男らしいが、その部下はその又部下はとなってくれば話も変わってくるはず。
 よってオーガヒルは、細心の注意を払う必要があるだろう。

 でも、一つ不思議に思う。ブラギの塔って言うのはエッダ教でも聖地のようなものだ。その近くに海賊が巣くうのは由々しき事だと思う。理想はオーガヒルに新たな城を作り海賊を縛り上げるような事をしなければならないとは思うが現実問題不可能な話だ。
 
 オーガヒルには、一国の兵力に匹敵するほどの海賊がいる。それに何も悪さを働くだけではなく、漁を生業にしたり運搬業に力を入れていたりと決して海賊という一つの側面だけを見ることが出来ない状況にあるのだ。
 だからアグストリア諸公連合も放っておくしかない。海賊は厳かでずる賢くアグスティへの莫大な利益の内のいくらかを献上している。しかもそれは馬鹿にならない金額だ。
 よって、オーガヒルは海賊の国と言っても過言ではないのだ。少なくとも今の首領が生きている限りそうなることだろう。

 「金があるのなら、船で行くのも一つの手だと思うのだかな」

 「なんか楽して冒険するようで少し嫌なんですよね」

 「ふん、それはまた子供の考えだと思うが」

 「この旅は僕がまだ子供であっていい最後の思い出です」

 「普通、子供は大人に成りたがるものだと思うがな」

 「これから血で血を洗うような争いが始まると思うと大人に成りたくはないですよ」

 「それもそうか……」

 きっとソールは、貴族の権力争いの事だ
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