二話:罪悪感
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ら青白い光を溢れさせる。
それを右手に移し球体を作りだすと近くにあった岩に向けて飛ばす。
球体は勢いよく岩に飛んでいき、ぶつかるといとも簡単に岩を砕いてしまう。
「………すごいな」
「ふっふっふ、もっと褒めるにゃ。黒歌様は天才美少女って言ってもいいのよ」
「それは嫌だ」
唖然とする柊也の様子に得意げに胸を張って笑う黒歌だったが、天才美少女と言うのは拒絶された。
唖然としていたのにも関わらずに即答されてしまったことが頭にカチンときたのか黒歌は次はもっとすごいのを見せてやると意気込む。
柊也の方もこのまま黒歌を褒めるだけで終わるのは釈然としなかったのでもし出来たら今度から黒歌様と呼んでやると挑発する。
「その言葉、すぐに後悔させてやるにゃ」
「出来るんならな」
「ふん。今度は仙術と妖術のミックスを見せてやるにゃ!」
魔法陣から先程とは比べ物にならないエネルギーが溢れ出し、黒歌が真剣な表情になる。
そもそも仙術は扱い方を誤れば暴走を引き起こす危険な物なのだ。だからこそ、琴音は自身が傍に居ないときは使うなと言いつけている。
黒歌も暴走はしないように十二分に気を付け、もう暴走する心配ないという自信があったからこそこうして披露しているのであるがやはり膨大なエネルギーとなると難しいらしい。
だが、今回はなんとか無事に収束させることに成功した。
ニヤリと笑い、賭けに負けたと悟りしかめっ面をする柊也に目配せをする。
そして、魔法陣から直接、膨大なエネルギーを放射する。
そこで黒歌はもう大丈夫だと気を緩めた。その行動が暴れ馬の上で手綱を離すのに等しいとも知らずに。
「黒歌!」
「え?」
目標地点よりも遥かに近くで弾けるエネルギーの塊。暴発だ。
これがただの失敗であれば笑い話で済んだだろう。だが、弾けた力は衝撃波となり、地面が砕けたことで飛び散る岩石と共に二人に襲い掛かる。
呆ける黒歌の前に柊也が女性は守りなさいという父の言いつけを思い出しとっさに飛び出す。次の瞬間には二人は重なり合うように吹き飛んでいた。
「いたた……ちょっと失敗したにゃ。トーヤ、大丈夫?」
軽く打った頭を擦りながら重なるように飛んだために自分の上に覆いかぶさる柊也を叩く黒歌。
平時であれば押し倒されたとからかうところだが今回は状況が状況なのでそんな真似はしない。
小さなうめき声と共に柊也の顔が上がる。
大丈夫みたいだとホッと息をつく黒歌だったが彼の顔見た瞬間、頭が真っ白になる。
「トー…ヤ…っ!」
「黒歌……どうしてか、左目が―――見えない」
見えないと訴える左目は岩石が当たった影響でつぶれて血が流れ出していたのだ。
衝撃波自体は幸運にも二人を傷つけることは無かった
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