「水たまりの掃除の仕方」
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僕の小学時代の話しだ。
◇◇◇
プール開きまでの時期、晴れたら校庭で体育だった。とはいえ梅雨の時期、連日の雨で校庭はドロドロだった。
当時の校庭は、1日ではダメだったが、2日くらい晴れなら乾いていた。とは言っても、アチコチに水たまりは残っていた。
校舎の影になるところには、どうしても水たまりが残ってしまっていた。僕らはそれを避けて体育をした。
小学校6年になると、放課後に学校のアチコチの掃除当番をした。その中に校庭の水掃きが入ってきた。
「じゃあ、ホウキで水たまりの掃除をしよう!」
と、担任の先生が言った。
「え〜!埋めた方が早いよ〜」
と、僕らは言った。実は、先生は、色々と水たまりをなくす為に試したらしく……
「この方法が、一番なのよ〜!!」
と、言って掃除の方法を伝授し始めた。
僕らは竹ボウキを手に、水たまりに集まった。日陰でなかなか乾かない水たまり。ランニングをすると、ちょうど邪魔になっていたのだ!
「いい?竹ボウキを横に寝かせて。水を陽の当たるところへ流すのよ」
と、先生は言った。僕らは竹ボウキを横に寝かせ、水たまりの水をかき出した。
シャーッ!
と、いう音と共に水が外へ広がった。かき出した水を陽の当たる所へ、どんどんおいやった。水は日向に入ると、陽に当たり、乾くと同時に地面に吸い込まれていった。
「早え〜!」
僕らから静かな歓声が上がった。僕らは、さらに分担した。
水たまりの水をかき出す奴。
かき出した水を、陽の当たるほうへ持っていく奴。
掃除の班は6人だったから、2人づつ3箇所に分かれて行った。
とにもかくにも、あっと言う間だった!校庭の、あちこちにあった水たまりが、あれよあれよと消えていった。
次の週だったか?月曜日の朝の集会の時に校長先生から……
「6年生が、こんな方法で水たまりをなくしています」
と、竹ボウキ片手に話す姿に、得意な気持ちになったのだった。
おしまい
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