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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜銃声と硝煙の輪舞〜
疑心好奇
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「ちょっと。邪魔なんだけど」
「……殺す」
「勝手に死んでろ、クソブタ」
ぶちっ。
確実に、本格的に、何かが千切れた音がした。
あーぁ、と一部始終を見守っていたユウキは、ふとこの場面で静観視している相方を不思議に思い、ふと己の隣を見ると――――
「うっ」
思わず出るうめきが止められないような輝かんばかりの圧倒的な笑顔をさんさんと顔に張り付ける少年がいた。
「いやあ、楽しくなりそうだねー」
「ほ、ホント……だね」
心が折れそうになりながら、《絶剣》と呼ばれる少女は思わず突っ伏そうとする膝を必死に押しとどめた。
いや、本当になんで来たんでしょうね。
乾いた笑いを漏らす従姉を見やり、レンは少しだけ周囲に耳を巡らせた。
聞こえてきたのは、失笑。しかもどうやら、リラとミナに喧嘩を売ったパイツァーに対して、笑いが漏れているらしい。当の本人が頭に血が昇って聞こえていないのは幸か不幸か。
ますます面白くなってきたなあ、と笑みを色を深くする少年の眼前で、ようやく双子と巨漢の対峙に仲裁を入れたプレイヤーがいた。
ごつごつと大柄な体躯と無骨な顔を持つ
男性
(
メイル
)
だ。肩から下げた大ぶりのアサルトライフルを鳴らしながら、パイツァーの幅広の肩に気軽に肘を置く。
「おいパイツァー、お前も怖いもの知らずだな。コイツらにケンカ売ったら後が怖ぇぞ」
「ダインさん、俺がこんなジャリどもに負けるとか思ってんですか!?」
憤る巨漢をどうどうとなだめすかせ、ダインという名らしき男はひらりと踵を返した。
「じゃあまたなガキども、
今
(
・
)
回
(
・
)
は
(
・
)
本戦で会うのを楽しみにしてるぜ」
笑い声とともにパイツァーを引き連れて去っていく背中を、今度は何も言わずに見送った少女達は一瞬顔を見合せた後に、音高く舌打ちをした。
一瞬、どう話しかけようかユウキはオロオロしていたが、えほんと咳払いひとつ。
「さ、さっきの人は、知り合いなの?」
「冗談!」
「前回のバレット・オブ・バレッツで十八位に入った実力者だよ。……どうせ運任せだろうけど」
普段臆病気味なミナまでこの言い草なのだ。よほど彼女らのBoB本戦出場への執念は強いと見える。そこまでこだわる理由はいったい、とそこまで脳裏で巡らせていたユウキは、ふと小さな疑念を思い起こした。
黒峰邸で聞いた一つの音声ファイル――――死銃の肉声から、なんとなく男性アバターだという固定観念があったのだが、なにもその考えがあっているという根拠はどこにもない。この世界での女性は、ほとんどがゴツい戦士のような身体だ。そのせいも相まって、相当声も野太いのではなかろうか。いやそれ以前に、これだけ科学技術一辺倒の世界観なのだか
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