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不可能男との約束
終わった話
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諸々の種族も性能が落ちていくものなのだ。
そこまで考え……聞きたかった事を聞いていなかった事に気付き、思考から現実に帰ると熱田は勝手にこっちに背中を向けて去ろうとしている。
おい、と声をかけようとした。
まだ聞きたい事を聞いていないと。
だが、その前に

「ああ。そういや一つだけミスがあるだろ」

意図と意味が分からぬ突然のミスの指摘。
条件反射で過去を思い返すよりも早く少年、自らが答えを出す。

「何やら人の事を勝手に先達とか何とか言ってるが……それは間違いだろ」

言葉を耳で咀嚼し、理解する。
自分はお前の先達ではない、と。
確かに、と思う思いはある。
同時に違いはないだろう、という思いもある。
差異は確かにあれど私の辿る道はお前が辿った道とそこまで変わらないだろう、と。
無論、過程も結末も同一なものではない。ないからこそ傲慢にも話を聞きたいと思った。
だから、私は口を開けてこう言おうかと思った。

それは違う。私と貴様では選んだ道も答えも違ってはいたが、その道によって見せられたモノは似たものだったはずだ、と。

だが、それすらも彼の口で閉ざされた。

「だってお前は少なくとも責任は取ろうとしている───俺より立派だよ。何せ」


───責任を取るどころか罪すら得れなかった。


「───」

音にならなかった言葉を意思で届けた彼は周りを停止させながらも、気にせずに軽薄そうに手をひらひらとこちらに振りながら

「ま、やりたいようにやれよ。女王なんだろ? 好き勝手生きていくのが吉だ。そこの全裸を見ろ。フリースタイルだろう? ああ、だからと言って全裸になりゃいいってもんじゃねえぞ? それは売れない芸人の犯罪行為だからな」

「お、オメェ、今、俺を全否定しただろ!?」

武蔵のメンバーが全員無視したからこちらも流れに乗った。

「私に躊躇いがあるとでも言うつもりか?」

「は? 知るかよ? 俺はその方が人生楽しいんじゃね? って言っただけだ。会って一日も経っていないようじょ相手にどうして俺が理解を示さなきゃいけねえんだよ。安易な同情が欲しいなら昨今の神肖動画(テレビ)で大量増殖されている鈍感ハーレムタイプの主人公(馬鹿)にでも頼んどけよ」

「生憎だが、私はエリザベス女王の襲名者だ。それに何より浮ついた言動と行動で身売りする程、自分を安くした覚えはないな」

「そいつは奇遇だな。俺も簡単に自分を売る女は好みじゃねえ。ついでに気軽に女を口説く言葉を自覚を持ってならともかく無自覚に吐く男もどうかしてる」

うむ、と二人揃えて視線を合わせずに納得の首肯をする。
どうやら恋愛観に関しては似たようなものらしい。いや、違う。問題はそこではない。
問題はそこではないとい
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