終わった話
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て、まるで何事もないように会話をしているのにエリザベスは嘘偽らずに賞賛に近い驚愕を得ていることを認める。
流体の色からしてかなりの疲労である事は確かだ。
倒れそうになる一歩手前の疲労の色合いであり───恐ろしい事にその最悪一歩手前の体調で彼のポテンシャルには陰りが見えない。
いや、陰っているのかもしれない。
実際、戦闘記録を見る限り前線に出る事がほとんどないので可能性だけの話になるが私と彼とが相対した場合、正直負けるとは思えない。
まぁ、もっとも性能が互角であったとしても負けるしかないなどと思う事はないのだが。
噂通りならば明らかに性能は落ちている。
性能が落ちているのはそれだけではない気がするがな……
今日のジョンソンとの相対でジョンソンが告げられた言葉を信じるならば、の話ではあるが。
普通に考えて正気ではない。
そんな状態で剣を握って戦場に向かうなど私、今から自殺しに行きますね? と笑顔で行くようなものだ。
だから、戦闘時の記録映像を見た時に驚愕した。
馬鹿げた事に、この少年は戦闘というシーンに切り替わった時、その肉体や思考からも疲労という事実を忘れ去っている。
一種の精神が肉体を凌駕している、の典型例だ。
無論、余程の集中力で行っているのならよくある事である。
戦場でなら尚更に。
何せ一つのミスで命を落とす場所だ。集中力を失くした人間から危機を迎える。
だが、逆に言えばそれは過度の緊張状態になるという事だ。
戦場とは出来る限りがつくが万全の状態で挑むべき場だ。
だが、しかし、この少年は少なくとも現状の状態ではその万全を持って挑む事が不可能だ。
皮肉な事に、望んだ現状になるという事は彼にとって莫大な不安と疲労を得る生活になる。
無論、副長職というのはそういうものだろうと言われたらそうであると答えられる。
だからこそ副長職には国としては最高のコンディションを持って挑ませるべきなのだが
・副長 :『じょじょ女王陛下? な、何かあったでしょうか?』
我が国もある意味余所の事を言えぬな。
まぁ、それには愛い事情があるので良い事にする。
それに流石に武蔵としても今直ぐにこの少年を休ませる訳にはいかないのだろう。
何せ、世界征服を本格的に始める前の大事な時期だ。
その中で間違いなく戦闘系の役職者の代表である彼は中核とならなければいけないし、有事の際の切り札とならなければならない。
副長なら当たり前の事ではある。
当たり前の事ではあるが
……背負い過ぎ、というのは彼を侮辱する言い方だな。
少年にとってそれは好きでやっていることなのだろう。
彼の言葉を借りるなら彼の心に思い浮かんだものに従っているだけなのだろう。
だがらその愚直さに早計な人間は彼の事をこう評するかもしれ
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