終わった話
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いし、後悔もない。だからお前の言う、それは本当にどーーでもいい───どんな馬鹿げた荷物を背負っても道を変える理由になんざならねえよ」
自分の言葉に全くその通りだと内心で頷く。
嫌々な気持ちを抑えて俺はここを望んだのではなく、仕方がないからここに立っているわけではない。
それだけは例えトーリだろうが智だろうがその他馬鹿の連中のせいではない。
友情や愛情があるからこそこの道を選んだのではなく、ただ俺がここがいいと願ったからここにいるだけ。
だから周りだけが幸いの道を行っているように見えるだなんて言われても気にする気なんてない。
むしろ本望だ。
「口には出してないかもしれないが俺の考えなんて一つだ」
「ほぅ? それは何だ? 教えてくれないか?」
「シンプル過ぎて教えるなんてもんじゃねえよ───邪魔するものは叩き斬る」
成程、と妖精女王は心底納得したという風に頷き
「貴様。自分が完璧に正しいと自惚れているのか?」
その言葉に思わず笑いが込み上げる。
無論、侮蔑的な意味合いではなくちょっとした笑いの意味だ。
成程、確かに自分の主張を取りまとめたらそんな風に聞こえるようにも思えるし、そう取られても仕方がないかもしれないという意味の笑いだ。
だからこそそれは勘違いだと笑って否定する。
「んなわけねぇよ。完璧に正しい? まさか。別に正しさなんて求めているわけじゃねえが……それでもこんなのただの邪神の理だってくらいは理解しているぜ」
正しい、間違っているを論じるような今時に興味はないが、まぁ他人から見たらただの傍迷惑な存在にしか思えないだろうなぁ、くらいには思ってはいる。
でもまぁ
「暴風っていうのはそんなもんだろ?」
成程な、と妖精女王は今度こそ理解した。
この男は熱田の血族だからこそ暴風神の代理神になれたのではない。
己が生き方こそが暴風の在り様だから暴風神に見初められたのだ。
他者の人生を傍若無人に切り捨て、我が道を突き進む。
暴風の中心は今でこそ無風などと言われているが、神代の頃には暴風の中心点には何かがいると恐れられていた。
神がおわすと畏敬の念を集めた。怪物が暴れていると恐怖を感じさせられた。
この少年はそれを生きながらに体現してすると言う。
その気持ちも心情もどちらかと言うと私には好意的には思える。そういった人間は厄介とは思うが個人的な意見のみならば好ましいと思う程度には気に入るだろう。
だが、妖精女王の視覚は別のモノも捉える。
人の流体を視覚で見る事が出来る自分が彼を見るとまるで違う物が見える。
視えるのはこれからの期待や今の面倒という色も見えるが
───それ以上に莫大な疲労とただ幸いの色を移す煌めきが映る。
酷いツギハギだ。
立っ
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