終わった話
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くっ……! と唸りそうになるがとりあえず本人が復活したので良しとする。
だが、しかし
私達がシュウ君にとって眩しい存在って……
今度はネタ抜きに考えるが、そんな事はないとは断言はしないがそんな風に考えられる要素はどれだろうと思う。
真っ先にあるのは単純に金であるが全員が商人を見て、違うな……という感じに首を振るのを見て考えている事は一緒かとは思う。
同時に皆も答えに辿り着いていない事も理解する。
だって彼はそこら辺に関しては無欲というか無頓着だ。
実家が極東有数の戦闘系神社であるからか、本人の性格からか。
多分、後者だとは思うが贅沢というのにはそんなに興味を抱いていない。恐らく日々の生活とエロゲを買うお金があればいいと思っているんじゃないだろうか。
唯一の欲がエロなのは健全なのか不健全なのか……考えるとおかしな方向になりそうだから無視する。
となると更にありがちな才能か。
でも、それこそ各々違う在り方でそこを突出している。
彼が戦闘面で突出しているように、正純が政治の面で突出しているように。
どちらも問題漢の自分ですら凄いと言える様なモノを持っているのに。
そして彼は副長である自分を満足しているように思える。勿論、まだまだ上を目指すことは止めていないのだろうけどそれでも武蔵の中で最高と言えるからこそその座に着いている。
その彼が
一体どうして私達を眩しいなどと思うのだろうか?
「で? その下らねえ妄想に思い至った理由は結局なんなんだよ、妖精女王」
「ま、それは貴様の言う私の悪趣味な部分によるものが一番の原因ではあるかな───何せ目に映るからな」
フン、とまた小さく鼻息を鳴らして続きを催促する彼を妖精女王は今度はその顔から微笑を無くし、真剣な眼差しで
「何よりも───貴様が親友と称する彼は大事な人を取り戻した。取り戻す事が出来た」
唐突な話題転換とし思えない言葉に浅間は条件反射で親友と称されている人を見る。
彼は何時の間にか穴から脱出しており───そしてやはり決してシュウ君の方を見ていなかった。
見ることを自分に許さないかのような姿勢を崩さないまま、けど決して耳までは塞がずに彼に向けられているはずの妖精女王の声をまるで自分に向けられているかのようにも見え
「……別に俺は何も失っていないぜ?」
「そうだ。貴様は何も失っていない───ただ、そこにあるだけだ」
浅間にはもう二人が何を話し合っているのか理解出来なかった。
当事者にしか理解できない会話に、しかし私は踏み込んではいけない会話を無遠慮に聞いているようで罪悪感すら感じそうになる。
だけど、やはりその思いは無視され、妖精女王の言葉は彼に放たれる。
「周りは取り戻す生き方を選び歩んでいるというのに貴様
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