終わった話
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・・・》辿り着くイメージが全く想像する事が出来ない。
ミトツダイラは見る。
そこにはもう去っていく彼の背中が見える。
まるで自分を置いていっているようにというのは余りにも被害妄想が激し過ぎるというのを理解しても過ってしまう。
背中
位置関係上、見えてしまうものであり───かつて自分が無様と共に得るはずだったものをその頼りになる背中が守ってくれた記憶がミトツダイラにはある。
忘れてはいけない記憶だ。
そして忘れられない記憶だ。
当時の記憶よりも間違いなく大きくなった背中。
それを見て思う。
私は……あの背中に……
本当に追いつけるのだろうか。
答えは当然帰ってこない。
帰ってきたとしても怖くて耳を閉じたかもしれない。
余りにもネガティブ感情に最後に残った理性が溜息を誰にも聞こえないようにさせた。
それで出来る限り気分を入れ替えないといけない。
私は我が王と約束を持って第一の騎士となったネイト・ミトツダイラなのだと。
そう思いながらも
まるで約束に縋りついているようですわね……
と、最後まで自嘲の念を禁ずる事が出来なかった。
やはり、ミトツダイラの視界には彼の背中が見えた。
並ぶ事も超える事も出来ていない、あの背中が。
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