終わった話
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眉を顰めているとおいおい、という苦笑付きのワンテンポを置く言葉を吐いて
「そう嫌うなよ───せっかくご家族は幸せそうなのに」
「───」
熱田の方を見ていた人間だけが彼の無表情を見た。
何時も何らかの感情を張り付かせていた顔には代わりと言わんばかりに無を張り付かせていた。
その表情に英国はおろか武蔵の役職者が思わず何か反応を取ろうとしているのを正純は見───そこで何時ものように心底面倒くさいという表情を出した熱田のお蔭でまた場は静止した。
ぱたぱた、と手を振って熱田は周りに気にすんなと伝える。
それを聞いてやっと皆が緊張を解したのを見て、そこで熱田はようやく妖精女王に振り向いた。
表情はやっぱり面倒という感情ただ一つであった。
「随分とまぁ悪趣味だな。妖精女王というのはひょっとして悪趣味の代名詞という意味だったのかよ」
「流石に自覚はあるから許せ……と言いたいが女の誘いを無視しようとする貴様の無礼さもあったのがいけないな。男を誘おうとしている女を無視する男には多少の悪戯は許容するべきだろう? それに妖精というのは元来悪戯好きでな」
抜かせ、と言わんばかりに鼻を鳴らすシュウ君を見て不安に思いながらも成り行きを見守る浅間。
幼馴染という自惚れ目線で既にシュウ君のテンションが完全に超不機嫌になっている事は察しているし
どうして妖精女王がシュウ君の家族の事を……
国家を背負う人から他国の人間の家族について知っていると言われると嫌な予想しか思いつかないのは思考の幅が狭いからだろうか。
でも本当にそんな予想の場合、間違いなく彼はこんな風に不機嫌なだけで終わるはずがない。
その場合、正純の交渉結果が全て台無しの結果になる気がする。
・あさま :『平和っていとも簡単に無くなりますね……』
・銀狼 :『非常に重い言葉ですけど本気で副長に暴れられたら洒落になりませんわよ……』
・金マル :『英国終了?』
本当に洒落になりませんね……と思わず唾を飲み込む。
ぶっちゃけた話───シュウ君の上限がどこまでなのかさっぱりという話である。
立花・宗茂との相対や三征西班牙、英国での相対でも実力の一端は見せていたがそれら全ては剣神という枠内の実力である。
スサノオの代理神というのならば本領はあくまでも暴風神。
日本神話における国生みの神である伊弉諾尊の息子にして日本最大の竜である八岐大蛇を下した最古の英雄。
神に仕える巫女の視点……と言っても浅間神社が祀っているのはサクヤだ。
同じ神とはいえ役割が違う。
サクヤは安産や子育ての神であり、スサノオは暴風神。
だから、知っているのは彼の神社の巫女である留美さんや正純を助けてくれたハクさんく
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