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歌集「春雪花」
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 口にする

  君への想い

    虚空へと

 散りてや朝陽に

     解けて輝き



 愛しく想う…そんな彼への想いを言葉にする…。
 それはまるで空へと消えゆくように儚く霧散するが…まるでほどけた紐のように、朝の陽射しに光って見えるような気がした…。

 ささやかな…刹那の幻…。



 嘆けども

  想いは届く

   はずもなく

 溜め息つけば

     光る朝露



 彼への想いは…どうやったとしても届きはしない…。
 切なく…淋しく…そんな日々を綴ったところで、然したる意味なぞないのだ…。

 彼を想い…溜め息を一つ洩らした時、ふと…紫陽花の葉を濡らす朝露が輝いた…。

 私の心を癒そうとしてくれているのか…それとも嘲っているのか…

 私には分からない…




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