暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
マブラヴ
ゲート 自衛隊彼の地にて、斯く戦えり
0994話
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 視界の先に広がっているのは、去年も見た無数の桜。
 マブラヴ世界の日本。その首都でもある京都の二条城の光景だ。
 前々から花見をしようという話はしていたし、崇継とも約束してはいたのだが、その後にBETAの大氾濫やそれを耐えきってからのハイヴ同時攻略作戦オペレーション・ルシファーといった事があった為に、何だかんだと先延ばしにされてきたのだ。
 ただ、それでも幸いまだ桜の花が葉桜となる前にこれたのは嬉しい限りだ。
 ……もっとも、もう少しで5月になるというこの時期になってもまだ桜が咲いているのは、京都としては色々とおかしいんだが。
 桜というのは元々それ程長期間咲いている訳ではない。4月末から5月となると、大体東北から北海道くらいが桜の見頃の季節だろう。
 勿論こうなっている理由は、異常気象。……それも、ただの異常気象ではなく、BETA由来の異常気象によるものだ。
 それでも……まぁ、今日だけは花見を楽しめるんだから、良しとするけどな。

「うわぁ……去年も見たけど、相変わらず凄いわね」
「私は去年お仕事の関係で来られなかったんですけど……凄いですね。あい君も連れてきたかったなぁ」

 俺の隣でシェリルが感嘆の声を上げ、それにランカが同意するように頷く。
 その言葉通り、去年はライヴがあって来られなかったランカだったが、今年はこうして花見に参加している。
 ぶっちゃけ、去年よりも今年の方が花見をすると決まってから実行されるまでの期間は短かったんだが……どうやってスケジュール調整をしたんだろうな。
 シェリルがシャドウミラーの所属となった今、ランカは文句なしにマクロス世界のトップアイドルだ。当然その仕事も分単位……下手をしたら秒単位のスケジュールとなっており、そんな状況で丸一日空けるというのはかなり凄い。
 まぁ、それも……

「確かにな。こうして桜を見ていると、心が持っていかれるようだ」
「アルト君……」

 桜に見入っている……否、魅入っているアルトと、そんなアルトに魅入っているランカ。
 そのままそっと手を伸ばしてアルトの手を握ろうとしたランカだったが……

「ふはははは。そうか、お前もこの美しさが分かるか。日本のわびさびを理解しているとは、中々に見所のある奴だ」
「ああ、マスター。そんなにはしゃがれては転んでしまいます」

 エヴァがアルトとランカの会話に割り込み、その場に漂い始めた甘い空気は一瞬にして霧散する。

「あー……エヴァちゃん、この花見を随分と楽しみにしてたらしいしね。これはしょうがないか」
「美砂、向こうはいいのか?」

 何かアウルと話があるとかで2人揃って離れていたんだが、いつの間にか戻ってきていた美砂へとそう声を掛ける。

「え? あ、ああ。うん。まぁ……その、ね」

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