二匹目《犠牲と出会い》
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キブリ!? ん? 君…………」
ゴッちゃんが足を止めたその瞬間の事だった。上から金髪の少女が降ってきたのだ。そしてそれが運悪くゴッちゃんを踏みつける形で着地した。それによりゴッちゃんは絶命した。何の過程もない。一瞬で消えたのだ。しかしそれがG達の宿命。気付かれず踏まれてしまう事故である。
勿論隆文はそれを唖然と見て固まっていた。また目の前で普段話をしている仲間が踏まれてしまったのだ。けどそれを目の前の少女が理解できる筈がない。でもそれは隆文も理解しているのだ。今のは事故で目の前の少女には何の罪もない。偶然だ。隆文はそう言い聞かせて取り敢えず落ち着く。そして目の前の少女を見た。
「君は誰? 」
「え、えっと……フェイト……フェイト・テスタロッサ。君は? というか……どうして泣いてるの? 」
「僕は……うっ……ひぐっ……蟲黒 隆文。その……君が踏んだのは……うっ、うっ……僕の……友達で…………」
「え…… 友達って……え? 友達? え? 」
フェイト・テスタロッサは信じられなかった。今自分が踏んだGが目の前の少年の友達であると言う事を。だから自分の踏んだ所を何度も見直す。しかしどうにも答えが出ない。自分が目の前の少年にどう接していいのか分からないのである。彼女から見れば意味も分からず涙を流し、自分が踏んだGに対して友達だと言うおかしな少年というかイメージだ。
「あ、あの……ごめんね? その……えっと…………」
「ゴッちゃん……ひぐっ……うっ、うっ……ゴッ……ちゃん…………」
彼女はうろたえた。少年は悲しみに歯止めが効かなくなってきたのか本気で泣き始める。だから彼女も謝るしかない。こんなカオスな状況で少年と少女は出会ったのだ。運命……そう言ってしまえば聞こえはいいかもしれない。しかしその出会いにはゴッちゃんという尊い犠牲があった事を忘れてはいけない…………
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