二匹目《犠牲と出会い》
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だから絶対逃げて】
「そんな!? 」
「おい、うるさいぞ! 」
【文ちゃんダメだって。それじゃ行くよ? 今ぶしっ…………
「あ! なんか踏んだ……げっ!? ゴキブリじゃねぇかよ!? まったく、どうしてこういう所はゴキブリがいるんだろうな? ん? どうしたクソガキ? 」
「ゴッさん……ゴッさん……ゴッ……さん…………」
隆文は拳を思いっきり握り締める。今、目の前で自分を助けようと動いてくれた仲間が潰された。それにより、隆文は怒りに支配される。しかし黒服の男達や隣にいる月村すずかから見ればそれは意味がわからない。と言うより何に怒りを感じ、怒っているのかが他には分からないのだ。
「本当に君の悪いガキだな? まぁ、どちらにしてもお前には用があるわけじゃないし……殺すか」
「やめて!? 蟲黒君は関係ない!? 」
「なんだ、知り合いか? なるほどな? だから助けに来たのかこのクソガキは」
「え…………」
「何を驚いてるんだ? 友達か何かなんだろう? 下の階で伸びてた奴が言ってたぞ? お前を助けに来たんだってよ? 」
「蟲黒君が私を助けに? そんな事あるわけ…………」
月村すずかは信じられなかった。自分にはそんな事をして貰う理由も資格もないからだ。何故なら自分は隆文を君悪がった人間の1人。彼から見ればろくな人間じゃない筈と月村すずかは思っていた。しかし隆文は自分を助けに来たと聞かされ、彼女はまだ信じられない。するとその時だった。隆文が口を開く。ただし、様子がおかしい。
「よくも……ゴッさんを殺したな…………」
「ああ? ゴッさん? ゴッさんって誰だ? 」
「殺したな…………」
「だから誰だってんだよ!? マジで気持ち悪いぜこいつ? もういい、殺せ! 」
「やめて!? 」
「へへっ……へへへ……もうこれはただ月村さんを助ける為のものじゃなくなった…………」
「あ゛あ゛? 」
「ゴッさんの……とむらい合戦だ! 」
隆文がそう言った瞬間、廃墟の窓という窓、ドアというドアからG達が雪崩のように入り込んだ。だがおかしな事に最初に集まったGの数を遥かに超えているのだ。月村すずかはあまりの光景にショックで気絶してしまい。黒服の男達はGの群れに呑み込まれた。しかしそれを睨みつけながら見ている隆文におかしな変化があったのだ。隆文の瞳、元は黒である筈のそれは何故か緑色に輝いている。
【隆文……怪我がなくてないよりだ。だが…………】
「ゴッちゃん……ごめんゴッさん死んじゃった…………」
【気にするな。親友を失ったのは俺も悲しいが、人に踏まれるのは俺らの宿命よ。人間はそんな事何とも思わないかもしれないがお前が気にしてくれただけで俺らは嬉しいぜ? さぁ〜帰ろう? その子も送って
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