暁 〜小説投稿サイト〜
フェイト・イミテーション ~異世界に集う英雄たち〜
ゼロの使い魔編
第二章 天空の大陸 アルビオン
アルビオン皇太子
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皇太子もきっと喜んで引き受けて下さるだろう。」
「そ、それって、ここで結婚式を挙げようってこと!?」

 余りの話の急さにルイズは混乱してしまっている。第一、ラ・ロシェールの宿屋で一度断ったはず・・・。
 と考えている内にワルドが背後に回り込み、まるで捕まえるかのようにルイズを抱きしめた。

「ちょ、ちょっとワルド様!?無理です!そんな急に・・・!」
「ダメだ。」

 断固とした言葉。その口調は今まで聞いたことがないような重く、そして何故か不快だった。

「僕には君が必要なんだよ。そう、君の力がね!」
「貴方は一体・・・!」
「君は僕の妻となり、レコンキスタに迎えられるんだ!」
「レコン、キスタ・・・?」
「本当は僕一人の力で君を手に入れたかったのだけれど・・・。もう時間がないみたいだ。」

 ルイズは気付かなかった。ワルドの背後に、もう一人男がいることに。

「逃がしはせんよ、『虚無の担い手』。」
「え・・・」

 男が指輪を掲げると、ルイズの意識が一気に遠のいていった。

「手間をかけます、クロムウェル殿。」
「気にすることはない。それで、この娘のサーヴァントは・・・。」
「ご安心下さい。『彼』を向かわせました。」

 遠のく意識の中、そんな会話が聞こえる。ダメ・・・せめてこのことを・・・!!

「カ・・・ケ・・・ル。」

 そこでルイズは意識を手放した。








「ルイズ?」

 架ははっとしたように彼女の名を呼んだ。彼は城の外にいた。昨日のこともありルイズの傍にいるのも躊躇われ、こうしてブラブラと歩き回ってたわけなのだが。

(何かあったか・・・?)

 マスターとサーヴァントは魔力によって繋がっている。そのため、片方に異変が起きたときは直感で分かるのだ。そして今回、ルイズに危険が迫っているとしたら・・・。

(くそっ、油断した!よりによってこのタイミングでか・・・!!)

 架は己浅はかさを呪った。この旅でずっと警戒心を抱いていたのだったが、今まで何の素振りもなかったこと、そして先の一件のことで完全に意識が逸れてしまっていたのだ。
 ルイズと離れないと約束したばっかりなのに!ウェールズと彼女を守ると約束したばっかりなのに!

(大体の位置は分かるが・・・とにかく急ご「相棒っ、上だ!!」・・・!!?)

 デルフリンガーの声と同時に殺気を感じその場から退避した。

 ズシンッ!!

 次の瞬間、架のいた場所に何かが飛び込んできた。モウモウと立ち込める土煙で姿は確認できない。だが、




「ったく、こんなガキが騎士なんてやってんのか。ホント随分変わってんなあ。」




 声と共に辺り一帯を支配するような
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