暁 〜小説投稿サイト〜
フェイト・イミテーション ~異世界に集う英雄たち〜
ゼロの使い魔編
第二章 天空の大陸 アルビオン
アルビオン皇太子
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た。胸の肌蹴たシャツにボサボサの髪と髭、更には右目には眼帯と如何にも賊っぽい恰好をしている。

「随分と威勢のいい嬢ちゃんだな。さしずめ反乱軍の一味ってところか。」

 それを聞いたルイズは架たちが止めるのも聞かずに堂々と言い放った。

「私はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールよ!トリステインからアルビオン皇太子ウェールズ様への使者として来たの!反乱軍なんかじゃないわ!」
「・・・トリ、ステインだと?」

 暫くポカーンとしていた頭領はやがてガハハハハハと豪快な笑い声を上げた。

「オメエら!こいつらを俺たちの船に連れて行け!オモシロい話が聞けそうだ!!」







「さて、お前さんらトリステインの者だって言ったな。今更あんな国になんの用だ?」

 空賊の船に連れてこられたルイズたちはそのまま船長室に入れられた。部屋にいるのは頭領一人。こちらは三人もいるのに随分と余裕だなとも思えるが、ドアの向こうから大勢の殺気がヒシヒシと伝わってくる。

「そんなこと、アンタたちに言う必要ないわ。」
「ククク、違いねえ。けどよ、何かは知らんが余程重要な内容なんだろ。そいつを反乱軍に売っちまえばたんまりと謝礼が貰えるぜ。」

 指に嵌めてある高そうな指輪を撫でながら頭領はニヤニヤしながら言う。しかしその言葉をルイズは「ふざけないで!」と一蹴した。

「アンタたちと一緒にしないで。私はトリステイン王女アンリエッタ様に仕える貴族よ。そのアンリエッタ様から頂いた命を売るなんて、死んでも御免だわ!!」

 敵陣の真っ只中で、ここで殺されてもおかしくないはずなのにこの堂々とした立ち振る舞い。架は思わず苦笑してしまっていた。こんな小さな体で、よくもまあこんな大それたことを言う。
 そして気のせいだろうか。ドアの向こうの殺気も少しだけ弱まったような・・・?

「・・・なるほど、それなりの覚悟はあるようだな。」

 突然、頭領は真剣な顔をして立ち上がった。そしてルイズに近づき、自身の指輪を向け、「その指輪を前に出すがいい。」と言ってきた。
 その口調の変化に戸惑いながらルイズは『水のルビー』を近づけた。
 すると、

「キャッ!?」
「!!」
「これは・・・!」

 ルイズだけでなく、架やワルドも目を剥く。指輪に付いた二つの宝石は互いに共鳴しあって虹の光を放った。

「これは『風のルビー』。アルビオン王家に伝わる指輪だ。『水』と『風』は『虹』を作る。王家に架かる虹をな。」
「あ、あなたは一体・・・?」

 当惑するルイズを他所に、頭領は突然髪をはいだ。よく見るとそれはカツラであった。さらに付け髭を外し、眼帯も取る。そこに現れたのは凛々しい顔立ちをした金髪の青年だった。

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