暁 〜小説投稿サイト〜
フェイト・イミテーション ~異世界に集う英雄たち〜
ゼロの使い魔編
第二章 天空の大陸 アルビオン
アルビオン皇太子
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もないようだ。
「ルイズ、甲板に来てごらん。アルビオンが見えてきたよ。」
ワルドに誘われ甲板に出た面々。まだ、日が出たばかりで、吹き付ける風が肌寒く感じる。
架が身を乗り出して下を除き見るが、白い雲が覆っていて何も見えなかった。
「・・・見えないぞ?」
「どこ見てるのよ。前よ、前。」
言われて前方を見やって、架は息を呑む。
目の前に広がるのは空に浮かぶ大陸であった。
「これは・・・」
「どう、凄いでしょ。」
「あ、ああ。」
「ここアルビオンは大陸の下半分が雲で覆われているからね、別名『白の国』とも呼ばれているんだよ。」
ルイズやワルドの言葉も架にはほとんど耳に入っていなかった。船が飛んだことにも相当驚かされたが、こっちはスケールの度合いが違う。
だが、呑気に眺めている場合ではなくなった。
「船長、前方より別の船がこちらに接近しています!」
船員の言葉に船長を始め、全員が言われた方角へ向いた。こちらよりも一回り大きな船が確かにこっちに近づいてきている。
「アルビオンの貴族か?お前たちのために荷物を運んでやっているんだと教えてやれ。」
船長は冷静に指示を出す。しかし、
「せ、船長!あの船、旗を掲げておりません!」
「何!?すると空賊か!?」
この辺りは内乱によって規制が乱れており、空賊たちはそれに乗じて動きが活発になっているのである。
慌てて逃げる態勢をとるが、向こうから大砲の威嚇射撃が飛んできて、船を停止させよという信号が送られてきた。元々積み荷の運搬用でもある船はロクに武器を積んでいないため、武力差を考えやむなくそれに従うのであった。
「ここは素直にしておいた方が賢明だ。」
「分かっています。」
賊の侵入を許してしまった船の甲板には、船長を始めとした船員全てが集められていた。当然架たちもその中に含まれている。そんな中、ワルドと架はヒソヒソと話し合っていた。
この場にいる船員たちは言わば人質である。架たちが動けば、必ず誰かに危害が及ぶ。さらにワルドは風石の代用として魔法を使いすぎたため既に打ち止め、架はあくまでルイズの身の安全が最優先である。従って、今この場どうこうするのはデメリット以外何もないのだ。ここは奴らを刺激しないように大人しくしているのが・・・
「んん?あんだぁ、こんなトコロに貴族なんかいやがるぜ。」
「汚らしい!近づかないでよ!」(バシッ!)
「ッッ、テメエ!」
・・・もう一度言う。ここは奴らを刺激しないように大人しくしているのが一番である。
架とワルドは冷や汗が止まらなくなるのだが、状況は更に緊張が増す。ルイズの声を聞きつけたのか、賊の頭領らしき人がやってき
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