暁 〜小説投稿サイト〜
フェイト・イミテーション ~異世界に集う英雄たち〜
ゼロの使い魔編
第二章 天空の大陸 アルビオン
アルビオン皇太子
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 もう夜も遅くなっていたため、船の中で睡眠をとることになった。もうすぐ戦場である。何があるか分からないため、架とワルドは交代で見張りをとることにした。
 ワルドが見張りのために借りた部屋を出ていった後、寝ていたはずのルイズが架に声をかけた。

「どうしたルイズ?今のうちに寝ておけ。」

 ルイズの頭を撫でながら架は優しく言う。しかし、ルイズは寝るどころかむくりとベッドから起き上がった。

「カケル、その、今のうちに聞いておきたくて・・・。」
「ん?何をだ?」
「その、ね。カケルが私にアルビオンに行くなっていうのは私に危険な目に遭ってほしくないってことなんでしょ。」
「そう言ったつもりだが?」
「それは・・・あなたも戦場の怖さを知っているから?」

 ルイズの疑問に架は「いや・・・」と、どことなく辛そうに答える。

「戦場には行ったことはないけど・・・人は、たくさん殺したよ。」
「え・・・」

 ルイズは絶句した。今、目の前の男は何て言ったのだろう。
 呆然としてから、ルイズはふと数日前に見た夢のことを思い出した。まさか、あれのことを言っているのだろうか。

「それって、この世界にくる時の話?」

 今度も架は首を横に振った。

「それよりも、ずっと前からだ。」

 言葉を聞いた瞬間、ルイズは架に詰め寄っていた。架の顔は見るのも痛々しいくらい苦痛に歪んでいた。

「カケル、教えて!貴方の過去に何があったの!?」
「・・・・・。」
「カケル!」
「・・・すまない、ルイズ。」
「ッ!?」

 やっと出てきたのは拒否のものだった。
 架とて、ルイズのことは信頼している。話せと言われれば自分のことは勿論、あちらの世界のあれこれだって話しても良い。
 だが、『あれ』は・・・『あれ』だけは話したくなかったのだ。こんな清らかな心を持つ彼女にあんなものは教えたくない。

「それは、教えることは出来ない。」
「・・・・・。」
「だけど、信じて欲しい。今の俺はお前を守るためにいる。絶対に裏切ったり離れたりはしない!それに、話す時がきたら必ず話す!・・・だから、それまで待っていてくれないか。」

 頭を下げながら懇願してくる架に、ルイズは「・・・分かった。」と答えるほかなかった。







 アルビオンが見えてきたぞーーー!!

 明け方になって船員の声で二人は目を覚ました。

「・・・おはよう、ルイズ。」
「・・・おはよう、カケル。」

 交わす挨拶は夜のことを思いながらも努めて平常でいようとするような声音だった。

「おはよう、二人とも。」

 そこへ見張りのため起きていたワルドが入ってきた。挨拶を返す二人の様子にワルドは小首を傾げるが特に気にしたよう
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