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ローゼンリッター回想録 〜血塗られた薔薇と青春〜
第4章 ハイネセン同盟軍統合士官学校 休暇と悪夢とPTSD
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ぶ声がする。
そこまでしか私の記憶はない

後々、ニコールに聞く話ではあるがその時私を呼んでいたのはたまたま部屋の前を通りかかった彼女であった。(私の住んでいるCブロックと彼女の住んでいるAブロックからは食堂の向きが逆なはずなのだが…)
目が覚めたのはそこから、5時間後の1300時あたりだったらしい。
軍医からは疲労によるものと診断された。
疲労ね〜と思って今までの行動を思い返してみると
つい先週まで艦隊実習に行ったり、実戦部隊との白兵戦の合同演習だったりに行っていたがそれはどの士官学校生も同じことと思っていた。
しかし、軍医からは
「曹長。君は第1艦隊の第23特別陸戦隊に名目上とはいえ所属しているな。
貴官、その毎日の訓練に参加してるだろ
それが疲労の原因だ。
また貴官はPTSDである上に、そんなことで暴走されてもこちらが困る。
貴官は今爆弾を持っているようなものだ。
いつそれが爆発してもおかしくないんだぞ。
それ以上陸戦隊の訓練に参加したいなら貴官を長期強制的休暇にしなくてはいけない。
貴官がPTSDの悪夢を現実で紛らわしたいのはわかっている。
しかし、白兵戦訓練は実戦に限りなく近いものだ。それを日常生活に持ち込んでみなさい。
君は、日常的に殺人をおかすような殺人鬼になる。確実にな
だから残りの夏季休暇は演習、訓練に出ずに休みなさい。
貴官のことはケン中佐とエリー准将からよく聞いている。
なかなか優秀な士官候補生であるそうじゃないか。将来有望な士官候補生をこんなところで殺人鬼にしてたまるか。
私にも3人の娘がいて全員が士官学校に進んだが、1人はヘンシェルで戦死した。残りの2人は今は駆逐艦の艦長だ。しかし、そのうち末っ子はPTSDだ。ついこの間艦内で自殺未遂をおかしたそうだ。今精神病棟にいるが毎日が放心状態だ。
貴官はまだ若い。だからこそそんな風になって欲しくないのだ。
わかってくれ。」
と 涙ながらにその老軍医中佐は語った。
私はその話を聞き、そのように自分を労ってくれる中佐に感謝しそれを快諾した。

中佐からの診断書により、夏季休暇中の一切の演習・訓練への参加を差し押さえられることになったが、当時の自分にとっては良いことだったと思える。
でなかったら今頃は死んでいたかもしれない。
こうして、私は本当の夏季休暇に入った
1日中本をよだり、士官学校の教材を読み漁ったりした。
その中で特に面白かったのが、戦争歴史書を読むことであった。
地球にまだ人類がいた時の戦史から今日までの戦史に至るまでありとあらゆるものを読みまくった。
でも、たまには誰かと話さないとさすがにコミュニケーション障害になると思ってニコールの衛生士官養成課程試験の勉強を手伝っていた。
ニコールは現在衛生下士官であるが、ここ
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