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ダンジョンに出会いを求めるのは間違っていた。
第十八話
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の責任と覚悟を表して。

「だから、キミを追い越すためにも、私は頑張るよ」

 私の主観だけど、ヘラクレスはあの日の事を引きずっていないと思う。死人に口なしと言うけれど、生前の彼の日ごろの行いと性格を考えると、やっぱり紳士的に笑って「クレア殿らしくないですな」とキザな言葉と共に流していると思う。
 本人が気にしていなからって私も気にしない、という事はない。だけど、本人が気に病むなと言うならば、被害者の言葉を背負う責任が加害者の私にはある。ヘラクレスの葬式以来ずっと顔を出せなかったけれど、これで一つ一方的な仲直りをする事が出来た。

 だったら、私は彼の分まで頑張らなくてはならない。彼の生を奪ってしまったなら、その分まで報いなければならない。
 謝罪の贈り物は渡せない。贖罪で自殺するなんてもっての外。天寿までしっかり生きて、あの世で彼と顔を合わせたときに恥ずかしくないように、胸を張って語り合えるように研鑽することこそ、ヘラクレスに対する最大の詫びとなる。

「それじゃ、早速行ってくるね」

 朝日に照らされる記念碑(モニュメント)たちは、日光の熱に炙られながらも力強い輝きを放っていた。



 大親友にしっかりと折り合いを付けた分、心を覆っていた黒々とした靄はすっかり晴れた。その甲斐あってか大通りの活気も心地よいものに聞こえてきて、自然とダンジョンへ進む足が軽くなる。

 予想していた通り、今日は《地中の帝王(ミドガルズオルム)》襲来と撃退の日ということで平和祈念日とされており、幾分か一般人の姿も多く目に映る。私なんかの命日を祝うくらい暢気というか気ままというか、そんなオラリオは人々の明るい喧騒に彩られていく。

 メインストリートを抜けて神殿のような威厳を醸し出すデザインのバベルを潜る。ヘラクレスの記念碑(モニュメント)を後にする前にギルド本部に寄って集めた冒険者依頼(クエスト)をさらさらと軽く確認も兼ねて目を通しつつ《大穴》へ。

「《ウォーシャドウの鉤爪》に《炭素工具鋼》と《石炭》《薬草》……慣れたことだけど、なんだか物足りないなぁ……」

 冒険者依頼(クエスト)を受けるとき、大掲示板に張り出されている羊皮紙を受付に持って行き、受注条件を満たしているかの審査を経て初めて契約成立する。受注条件の一番大きな項目は言わずもがな、冒険者としてのランクである。名目上無所属(フリー)である私は高難度の冒険者依頼(クエスト)を受けることはできず、Lv.1の冒険者のために作られた冒険者依頼(クエスト)しか受けれない。

 今では18層までソロで行けるようになったから実力的にはLv.2相当の冒険者依頼(クエスト)を受けれるけど、書類の上ではLv.1止まり。報酬目当てという訳じゃないけれど、やはりやり
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