第18話
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「うわわ、さ、さすが袁紹さん……」
理想に向かって研鑽している桃色の髪をした少女は、引き攣りながらも賞賛し――
「あわわ、凄い規模です……」
「はわわ、こんなの未来を見通しでもしないと無理です!」
彼女の新たな賛同者達は袁家を畏怖し――
「……私達、独立出来るの?」
「……」
独立を狙う小覇王は珍しく弱気になり、彼女の頭脳でもある女性は頭に手を置き――
「得物は肥えきった所で食して、その力を得るつもりだったけど……、これは肥えすぎね……」
金髪の覇王は重々しい溜息をはいた。
………
……
…
三十万人の元黄巾、難民達を受け入れてから約半月、受け入れた彼等を視察しているときであった。
「袁紹様! どうか私の話しを聞いてください!!」
制止しようとする兵士達を振り切り、袁紹の眼前で叫ぶように口にする。
「大人しくしろ! 申し訳ございません袁紹様」
「……」
「袁紹様……、どうか……」
涙を流しながらも袁紹の目に訴え続けるその姿に、何かを感じた。
「離してやれ」
「し、しかし――」
「良い、許す」
「ハッ」
袁紹の言葉で兵達は彼を開放する。とは言え主に近づけるわけにもいかないので兵士達が間に入る形になった。
「ありがとうごぜぇやす……」
開放された男は地面に額をこすりつけるようにして感謝の言葉を口にする。
そこまでして伝えたい事に袁紹は興味がわいた。
「良い、表を上げよ、……何か大事な事か?」
「へ、へい」
顔を上げた男は――
「どうか彼女達を――天和ちゃん達を助けてあげてくだせぇっ!!」
再び叫ぶようにそう口にし、頭を下げた――
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