暁 〜小説投稿サイト〜
恋姫†袁紹♂伝
第18話
[3/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
「今まで俺達を放っておいた連中が、助けるとは思えねぇ」

頭の言葉に反応して次々に口にする。今まで徴収されて来た彼等と漢王朝には、埋めようの無い溝が出来ていた。

「それじゃあ今日は此処で野営をするぞ、準備しろ」

『へい!』



………
……



風が仕官し、ある程度期間が経った頃、袁紹は此度の策を聞かせていた。

「……」

余りの規模の大きさに彼女は普段見せない様な顔で硬直していたが、なんとか頭の中で考えを纏めさせ口を開く。

「……このまま大陸が荒れ、賊が増え続ければそれを先導するものが現れて、一つの大きな塊なるのはわかったですよ。また、それを大分前から予想して見せたお兄さんの慧眼も心服です〜。
 ――ですが」

袁紹を褒め称えた後疑問を口にした。

「国に絶望し、反旗を翻した彼等にその策は成功するでしょうか?」

官軍に刃を向けるというのは尋常ではない。そうまでした者達が、善政を敷いているとは言え、
漢王朝の忠臣である袁家に、寝返るような真似をするとは思えなかった。

「……風は、『窮鼠猫を噛む』と言う言葉を知っているな?」

「はい〜、追い詰められた鼠さんは、天敵である猫さんにも噛み付く、と言う意味ですね〜」

「そうだ、そしてその鼠は団結した賊達にあたる」

「……」

「彼等の殆どは農民であると考えられる。生活に困窮しその日の食事も無くなった彼等は、そこまで追い詰められて官軍(天敵)に牙を向くのだ」

だが……、と言葉を一旦止め口を開く

「そんな彼等の前に突然『逃げ道(希望)』が出来たらどうなる?」

「っ!? 天敵(官軍)に挑まず逃げ道(希望)を……優先する……」



………
……




黄巾賊の日が沈んだ野営地、殆どの元農民達が眼を覚ましていた。

「……お前ぇ、さっきのあれ信じられるか?」

「わかんねぇだよ、んだども……」

元農民の者達は身を寄せ合い。看板に書かれていた内容を話し込む、此処のお頭は一蹴したし突拍子も無い内容だったが……

「あの看板は鉄で作られていただよ、袁紹様ってのが金を持っているのは間違いないだ」

「……」

「オラは……オラは飯が食いてぇ」

黄巾賊の殆どは飢饉と重税から生活が立ち行かなくなった者達である。そんな彼等が集まって出来た黄巾賊に満足な食料がある筈も無く、空腹で痩せ衰えていた。

「……行くか」

「んだ」

このまま黄巾に身を寄せていても腹は膨れない。そう察した者達は闇夜に紛れ、隊から離れて南皮を目指す。
 又、同様の事が大陸各地で起きていた。

………
……


「か、頭ぁ!! 大変でさぁ!!」

「なんだ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ