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魔法少女リリカルなのは!?「Gの帝王」
一匹目《発現》
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……しょ、少年……ま、また合おうや? ゴキダッシュ!! 】

「嫌だ!? 逃げられた!? くぅぅ……ゴキ◯ット買っておけばぁぁ…………」

「……ゴキブリって喋るんだ? 」

自覚はしていない。ただ単純にゴキブリは喋る物として認識した瞬間だ。だがそれは残酷にも少年を苦しめる事になる。何故ぜならそれからというもの、隆文はゴキブリを見つけては話をするようになってしまった。その為親からは君悪がられ、幼稚園の友達は誰一人として隆文には近寄らなくなってしまったのだ。
幼い子が虫や花に何となく話しかける事はさして珍しいことじゃないかもしれない。好奇心故の無邪気な行動だ。しかし隆文の場合は違う。まるで本当に話をしているような会話。そして極め付けは隆文の周りにゴキブリが自らよって来るという事。実際、ゴキブリを手に乗せて喋る人間を誰が普通と思うのか。ましてや寄って来るゴキブリが一匹や二匹ならまだしも、多い時は隆文の周りの床が黒く染まる。だからこれで隆文が嫌われない筈はない。だが隆文にはまるで罪はない。無実だ。ただゴキブリと仲がいいというだけで迫害されている。
だからその所為もあり本来明るく元気だった性格の隆文は昔より暗く、何のやる気のない少年になってしまったのだ。そしてそれは小学3年生になった今でも変わらない。それどころか隆文に対しての反応は酷くなってきている。イジメ、最初はそれもあったが。隆文にイジメを働くと周りのゴキブリが黙っていない為、誰も隆文に手を出さなくなっている。誰もが無視をし、先生にすらも相手をされない。

「……すぅ……すぅ…………」
【おい隆文! た〜か〜ふ〜み〜! 】

「んん〜……ん? 何だよゴキ兄……今僕寝てるんだけど? 」

【授業中やろ? 起きろ言うてるやん! ちゃんと授業しないと将来いい大人になれへんで? 他の人間はどうでもええけどな? 隆文には立派になって貰いたいんや? 】

「嫌だよ……授業眠いもん」
【隆文……あ! あ〜あ、チャイムなってもうたで? まったく……まぁ〜ええ。それじゃまた家でな隆文? 】

「はいよゴキ兄」
【何しけた面してんねん。元気だし? お前は出来る奴やろ? 何せ俺達が「このゴキブリ! 」ぎゃぁぁぁあああああ!? ごっつー効くでこの殺虫剤ぃぃ……ぐおぉぉぉ……だが……まだだ! ゴキダッシュ! 】

「あ!? 逃げたわよ!? 」

隆文がゴキ兄と呼ぶこのゴキブリは隆文が最初に話をした個体。運がよくも悪くも隆文とは4年の付き合いになる。だから隆文よりも歳上と言うことになるからと言う理由で兄と名付けているのだ。
そして隆文に久しぶりに近づく人影、クラスメイトとのアリサ・バニングスだ。今ゴキ兄を撃退したのも彼女。だから隆文はあまりいい顔をしていない。隆文にとってゴキブリは友達で
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