本編
第零話
[2/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
く火竜に遭遇してしまったメイジが慌てて火竜に向けて杖を振ったが、集中出来ず魔法が失敗してしまい絶対絶命の危機に陥ってしまったとういものだ。
この記述と自らの失敗魔法を見比べた結果ルイズはある違和感を覚えた。才能がないと揶揄される自分の失敗魔法の爆発はかなりの威力がある、おそらく人間の一人や二人ならば吹き飛ばせる威力があるのだ。そして深くは考えたくないが、この失敗魔法を石ころに当てた時の余波ではなく、直接人体に向かって放てば凄まじいことになってしまうのではないか。ここで先ほどの記述に戻ると、どうしても拭いきれない疑問が生まれる。
即ち、『火竜に向けて』『失敗魔法』を放ったならば、火竜の体に爆発が発生するので少なくないダメージを与えられるだろう。ならばどうして『絶体絶命の危機』に陥るのか?
その疑問の答えはルイズの頭脳を持ってすれば容易く求められた。この本の作者は魔法を失敗しても爆発しないということだ。勿論この本のメイジが特別で爆発しないのかもしれないので、複数の書物を確認し特別なのは自分であると結論付けた。
そこで更に疑問が生まれた、自分が特別なのだとしたらこの爆発はいったいどうして起こるのか?
何度も爆発を起こして見てもよくわからなかったので、今度は呪文を変えて様々な種類の魔法で試して見た。その結果、『錬金』などの明確な対象がある魔法はその対象への命中精度が高く、『ファイヤボール』などのどこから炎を出しているか明確でないものは明後日の方向に向かってばかり爆発が起きることが分かった。
そして、火風土水の四種類に分類される魔法の中で風の魔法と水の魔法を使った時のほうが火と土に比べて爆発の威力が高いことが分かった。
この時、ルイズはまだ知らなかったが火風土水の四系統と言われる魔法には実はもう一つ『虚無』と呼ばれる系統が存在していた。そして虚無を加えた五系統の魔法を相関図にしてみると、ペンタゴン、つまり正五角形の形になっており、一番上の頂点に『虚無』その左の頂点が風、右の頂点が水、そして風の下に土、水の下に火がある。
もしルイズがこの関係を知っていたならば、自身の特異性と虚無に近い二種類の魔法の失敗の威力が高いことから、自分の属性が虚無である可能性に思い至ったかもしれないが、『虚無』の魔法は魔法の開祖であり信仰の対象ともなっている『始祖ブリミル』が使ったとされる伝説の属性であり、ほぼお伽話のような扱いを受けていたそれを真面目に研究するものなど皆無であり、誰もルイズにそれを教えてくれる者はいなかった。
そして自らが虚無だと気づかない哀れな少女ルイズは魔法の種類と爆発には何か関係があることを確信し、更に他の魔法も試してみようと、その魔法を唱え始めた。
「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエー
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ