第4話 妖しい視線
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うにしても突進は怖い。
身体能力が高いとはいえ、所詮は子どもの身体。
ヘタしたら、怪我じゃすまない。
不意打ちで仕留めるとしよう。
まずはイノシシを探すか。
だが、手当たり次第に探すというのは現実的じゃない。
水場を探すか。居たら、ラッキーだな。
一応、木に目印を付けながら歩いていると、水の流れる音が聞こえてくる。
あっちか。
水の流れる音を頼りに歩いていると、小川を見つけた。
そして、そばには小川に足を付けている司馬懿さんを見つけた。
司馬懿さんの見た目は、大和撫子と言った感じだ。
艶やかな長い黒髪、化粧も何もしていないのに艶のある唇、髪からわずかに見えるうなじが色っぽい雰囲気を醸し出している。
うーむ、2つ下ってことは8歳だよな。
その歳でこの色っぽさは反則じゃないか?
やはり、母親である司馬防さん譲りということか。
彼女の歳に合わない色っぽさに目を奪われていると、彼女の奥の森に居る毛むくじゃらの生き物に気付く。
イノシシだ。司馬懿さんを狙っているのか?
いや、狙っているというより警戒の対象と見ているのか。
イノシシは神経質で警戒心の強い動物だとテレビで見た、ような気がする。
この距離なら弓で狙えるが、運が悪いことに司馬懿さんが射線上に居る。
少し横に移動しよう。
良くある小枝などを踏んでバレる、なんてバカな真似はしない。
足元とイノシシの動きに注視して、慎重に移動する。
横に3mほど移動すると、イノシシを弓で狙える位置に着いた。
ここから狙うか。当たってくれよ。
俺は肩にかついでいた弓を手にすると、背中の矢筒から矢を1本抜く。
狙いは一点。イノシシの目だ。…イノシシの目って小さいよな。
いや、ここは父を的にして鍛錬した日々を思い出せ。
一発で射抜く。
俺は矢を引き絞り、イノシシの目に狙いを定める。
同時に呼吸を止め、手ぶれを少しでも止める。
そして、手を放す。
「プギャァアアアア!」
俺の放った矢は、精確にイノシシの左目に突き刺さった。
誤算だったのは、痛みで暴れ回るイノシシが司馬懿さんに突進したことだ。
「逃げろ!」
咄嗟に叫ぶが、司馬懿さんは恐怖で動けない。
俺は弓を担ぐと駆ける。
恐怖で動けない司馬懿さんを抱き上げると、イノシシの突進をかわす。
「大丈夫か?」
「あ、ありがとう」
いや、俺のせいですから。
木陰に司馬懿さんを降ろすと、痛みで暴れ回るイノシシへと歩いて行く。
さっきは突発的に動いたみたいだが、今は地面に倒れてのたうち回っている。
俺はのたうち回るイノシシの頭に『青紅倚天(
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