暁 〜小説投稿サイト〜
101番目の舶ィ語
第三部。終わる日常
第一章。赤マントのロア
第一話。雷雨の中の襲撃者
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が、リクエストOKとある辺りちょっと可愛いなぁ、なんて思ってしまう。
理亜が作る料理は絶品なので、今から夕飯が楽しみだ。

「とりあえず、カレーライスと送っておくか」

小声で呟きながら、左手だけでメールを打ち込む。
今日はキリカがいないから、一之江との訓練だけで帰れるはずだしな。
俺の物語になる『都市伝説』を探す、コードとかも先送りになるはずだし。
何か突発的な事件でも起こらない限りは当たり前のように帰れるはずだ。
そう思いながら俺は送信ボタンを押した。

直後、俺の携帯が鳴り出した。
確認してみると、差出人はカナメからだった。


差出人・カナメ。
タイトル・今夜は美味しい妹カレーだよ?

内容・やっほー! お兄ちゃん、ちゃんと勉強してる?
可愛い、可愛い妹とのメールタイムだよ?
今夜は叔父さんや叔母さんもいないから、兄妹水いらずで過ごせるね?
お兄ちゃんが大好きな妹が作るカレーを用意して待っているから早めに帰ってきてね?
リサさんやリアちゃんも何か作るとか言ってたけどお兄ちゃんは私のカレーだけを食べればいいからね?
お兄ちゃんの家で初めて作ったカレーと同じ分量・味になるように作るから私の妹カレーをお腹いっぱい食べてね?
それじゃ、お兄ちゃんが早く帰ってくるのを楽しみにしているよ。
それじゃあね!

お兄ちゃんの可愛い、可愛い妹のかなめより?



……いかん。頭が痛くなってきた。
何だよ、妹カレーって。
わざわざ?マークなんて付けんなよ!
とかいろいろツッコミどころが多いのだが。
この文の通りなら、リサの奴も何か作る予感がするな。
美少女達が俺の為にわざわざ手料理を作ってくれる、こんなシチュエーションなかなかないよな?
世の中の男子諸君なら夢のような至福の時間なんだろうが、俺にとっては拷問と変わらないぜ。
代われるものから代わってやりたい。
理亜のカレーだけで十分なんだけど、全部きちんと食べないと暴動が起きそうだしな。
前世では大変だったからな。
包丁とかブンブン振り回した妹に襲われたり、家に同居人が他にいるのが気に入らないからと、俺の女装写真を家の壁に貼られそうになったり。
前者は身の危険を感じたし、後者は精神的に死にかけた。
だからただ、カレーを食べるだけでは済まないのだ。
カレーを食べるだけで命懸けになる俺の日常って一体……。
と、そんな事を思っていると。

「すぅ……」

背後からは俺の背中を利用して隠れて寝ている、一之江の穏やかな寝息が聞こえてきた。
一見真面目そうに見えて真面目じゃない、というのもコイツの個性だ。
なんでも、大概の授業は既に予習してあったり、前の学園で習っていたとのこと。
何気に優等生なのかよくわからんがそれがいかにも一
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