第二百十二話 死装束その十
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「この二つの城かと」
「大坂とか」
「はい、江戸です」
ここも、というのだ。
「あの地にもです」
「巨大な城を築いてじゃな」
「関東、そして奥羽のです」
「抑えとすべきか」
「はい、あの地に巨大な城があると違います」
東国の確かな抑えになるというのだ、そう話すのだった。
「この安土に大坂、姫路、金沢、名古屋と築いていき」
「そしてじゃな」
「江戸です。あと」
「まだあるのか」
「江戸の東北の方角にです」
そこにもと言うのだった。
「一つ考えがありますが」
「それは何じゃ」
「はい、日光の辺りに社を築き」
そうしてというのだ。
「東国の丑寅の方を護りましょう」
「では江戸もか」
「都と同じくです」
「結界を築くか」
「他にも色々と築きべきですが」
都の様に結界を築いてというのだ、そう話してだった。
利休は江戸のことも信長に話していった、東国まで手中に収めた織田家はそこから新たに政を進めるのだった。
領国全ての開墾と灌漑、町や道、それに堤まで整えてだった。そうしてからさらに検知も刀狩りもしてだった。
天下の城も整えていった、天下は織田家のものに確実になっていっていた。
その中でだ、信長は政の体制も整えていっていた。信長を軸として老中や若年寄、それに勘定奉行等を置いていってだ。
他にも寺社奉行も置きだ、さらにだった。
「安土、奈良、名古屋、そして大坂にですか」
「江戸にもですか」
「そうじゃ、それぞれの町にじゃ」
織田家の直轄であるそうした町にというのだ。
「奉行を置く、特に安土と大坂、江戸にはじゃ」
「その三つの町にはですか」
「奉行を二人置く」
そしてだ、奉行所もというのだ。
「安土と大坂は東西、江戸は南北にな」
「それぞれですか」
「置いてですか」
「そうして町を治める」
「そうしますか」
「そうじゃ、都には所司代を置いてじゃ」
京の都のことも話すのだった。
「あの町を治める、わしは安土におるが大坂等には城代を置く」
「そして城を守らせ」
「町の責を担わせる」
「そうされますか」
「それぞれの町も」
「そうする、そして大目付に目付じゃな」
この役職も出すのだった。
「大目付は大名、目付は奉行を見張らせて寺社奉行は寺社じゃ」
「そのそれぞれを」
「見張らせ」
「勝手なことをさせない」
「そこまでされますか」
「天下の為にな」
是非に、というのだ。
「手を打っておくのじゃ」
「謀反を起こさせぬ」
「そうされますな」
「そして諸法度も出したがやがては」
信長の政はさらに続いた。
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