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レインボークラウン
第二百三十五話

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            第二百三十五話  リミットを前に
 華奈子は夕食前にだ、美奈子のところに来て笑顔で言った。
「出来たわ」
「出来たの」
「うん、さっきね」
「まだ期限まで四日あるけれど」
「それでもなのよ」
「出来たのね」
「予定より早くね」
 満面の笑顔での言葉だった。
「出来たわ」
「よかったわね、私もね」
「美奈子も調子いいのね」
「何かね」
 美奈子はまだ錬金術をしている、タミーノとフィガロも一緒だ。使い魔達のサポートを受けながら手を動かしつつ言うのだ。
「思ったよりも調子がよくて」
「それでなの」
「ええ、この調子だとね」
 それこそ、というのだ。
「明日には出来そうよ」
「それってかなり早くない?」
 華奈子は美奈子が最初言っていた進展具合を覚えていたのでこう言ったのだ。
「最初もっと遅いって言ってたのに」
「それがね」
「思ってたよりもなの」
「いい具合に進んでいて」
 それでというのだ。
「明日にはいけそう」
「そうなのね」
「じゃあ私もやっていくわね」
「頑張ってね、美奈子も終わったらその時はね」
「その時は?」
「ジュースで乾杯しよう」
 華奈子はにこりと笑ってこう美奈子に言った。
「何ジュースがいいかしら」
「そうね、じゃあ葡萄ジュースで」
「何で葡萄なの?」
「ワインみたいだから」
「ああ、だからなの」
「よくドラマでの乾杯ってワインでしょ」
「そういえばそうね」
 華奈子も言われて頷いた、確かに華奈子の見ている限りはだ。
「それじゃあね」
「葡萄ジュースでね」
「赤?白?」
「じゃあ赤ね」
「わかったわ、それにしてもワインってね」
 華奈子はワインの色についても言った。
「何で赤と白があるのかしら」
「それはどうしてかしらね」
 美奈子もわからなかった、それで二人で言った。
「お母さんに聞いてみる?」
「それがいいわね」 
 ワインの色についてだ、二人は自分達の母親に聞くことした。


第二百三十五話   完


                    2015・5・9
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