暁 〜小説投稿サイト〜
ドリトル先生と二本尻尾の猫
第十一幕その四
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
「お喋りに集中してるから」
「だからなんだ」
「食べるのが遅いんだ」
「それでなんだ」
「まだ食べてるんだ」
「そうみたいだね、あと」
 ここで先生はこうも言うのでした。
「あの子達ははじめてのデートだから」
「だからお喋りにも慣れてない?」
「見ればかなりぎこちないね」
「必死に話題を出してお互い合わせて」
「それでね」
「必死にお話して」
「もうお互い慣れていなくてしかも緊張してて」
 それで、というのです。
「大変なね」
「そんな調子だね」
「食べてはいるけれど」
「お喋りに苦労してて」
「大変ね」
「それでなんだ」
「うん、あれじゃあね」
 それだけお喋りに苦労していてはというのです。
「食べるのも遅いよ」
「それなりに食べてるけれど」
「それでもね」
「まだ結構残ってるから」
「じゃああと少しは」
「ゆっくりしていようか」
 こうお話してでした、先生と皆はです。
 お二人が食べ終わるのを待ちました。二人も暫くしてからカレーライスを食べ終わってそうしてなのでした。
 スナックコーナーを後にします、その次に向かったのは。
 観覧車でした、そこに向かう時にです。
 先生の右肩にとまっているポリネシアが右手を見てです、先生に囁きました。
「またいたわ」
「あの人達が」
「ええ、あそこ見て」
 先生にその右手を見る様に言いました、そして。
 先生も応えて見るとです、そこにでした。
 あのガラの悪い人達がいました、ベンチに座ってそれで行儀の悪い仕草で煙草を吸ったり缶ジュースを飲んだりしています、その人達を見てです。
 先生はです、こう言いました。
「やっぱりね」
「あの人達はね」
「いい人達じゃないね」
「悪い人達ね」
「所謂愚連隊というか」
「チンピラ?」
「そんなところだね」
 先生は困ったお顔でポリネシアに答えます。
「そうした風にしか見えないよ」
「そうよね」
「あの子達にはまだ気付いていないみたいだけれど」
「若し気付いて悪いことをしようと思ったら」
「その時は止めよう」
 絶対にというのです。
「そうしよう」
「うん、それじゃあね」
「あの人達も見ていよう」
 先生はこの時もこう言うのでした。
「あの子達の為にもね」
「そうね」
「あとお静さんだけれど」
 今度は足元からガブガブが言って来ました。
「今はもう、なのかな」
「うん、お姿を消してね」
 スナックコーナーでお腹を満足させたうえで、です。
「それでね」
「お二人の傍にいてなのね」
「囁いているよ」
 これまで通りというのです。
「そうしてるよ」
「そうなんだね」
「そう、だからね」
「心配しないで」
「お静さんのことはね」
 この人の場合はと
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ