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ダンジョンに復讐を求めるの間違っているだろうか
テュール・ファミリア
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のように澄んだ蒼眼は見た者をはっとさせるような美しい瞳で、すらっとした顎のラインと鼻立ちはエルフ特有の清楚さを彼女に与えていた。
 そんな彼女は【テュール・ファミリア】の構成員二人のうちの一人だ。
 勿論、残りの一人はデイドラである。

 「じゃが〜」
 「はぁ〜」

 ノエルは何度目になるかわからないやり取りに嘆息した――その時だった。
 こんこんと、扉がノックされた。
 そのノックに不安げな顔をしていたテュールは一瞬でその顔をぱぁっと輝かせた。
 が、すぐに取り繕うように(彼女なりの)威厳のある顔を作ると、

 「扉なら開いているぞ」

 と答えた。

 「そう、なら入らせてもらうわ」

 しかし、返ってきた声はテュールが期待したそれではなかった。
 それどころか、最も嫌っている人物のそれだった。
 扉を開けて入ってきたのは、デイドラを背におぶったミネロヴァだった。
 服装はギルドの制服ではなく、艶かしい体のラインがあらわとなる漆黒のドレス。
 そして、おぶられたデイドラは上半身裸で、テュールに勘違いさせ、怒りに染めるには十分だった。

 「己!ついに妾の眷族に手を出しおったかっ!この淫婦め!!」

 テュールは逆上してミネロヴァに食ってかかった。

 「してないわよ。落ち着きなさい。ただぼろぼろで見苦しかったから取ったのよ」
 「神様の前で嘘をつこうとは、いい度胸じゃのう」

 ミネロヴァは嘘偽りのない真実を言っていたが、日頃の行いの所為で、逆にテュールの怒りを増長させることになった。

 「神様、ミネロヴァさんは本当のことを言っているかもしれません」

 だが、幸いに、ミネロヴァをノエルが味方した。
 ノエルはテュールがミネロヴァに食ってかかっている間、冷静にデイドラを観察して、表面的にはわからない彼の体の異常に気付いたのだ。

 「体中に治癒魔法が施された跡があります」
 「なんじゃと…………」

 テュールは絶対の信頼を置く眷族の言葉に言葉を失っていた。
 体中に施されているということは体中に傷があったことを示す証拠に他ならなかったからだ。

 「そういうことだから早く寝かせたいのだけれど」

 そう言って、ミネロヴァはベッドに歩み寄った。

 「わかった」

 テュールは半ば放心したように答えるとベッドの脇に退()けた。
 その空いた場所に柔らかな手つきでミネロヴァはデイドラを下ろすと、傷は残っていないにも拘わらず、テュールは四つん這いになって横から心配そうにデイドラの体を見回した。

 「心配しなくとも大丈夫よ。どの傷も私の治癒魔法で治る程度のものだったわ。ただ、血を多く失い過ぎたから当分は目を覚まさないけれど」

 そのテュールを
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