第十一幕その三
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「誰にとってもね」
「その通りよね、じゃあね」
「食べ終わって歯を磨いたら」
「また出発ね」
「そうよ、ウーガブーの国までね」
行くと言ってです、そして。
実際に朝御飯を食べて歯を磨いてからです、また歩きはじめました。黄色い木々に囲まれた煉瓦の道を進んでいきます。
その途中で、です。神宝は道の右手にある牧場を見て言いました。囲いの中でのどかに草を食べている牛達をです。
「ホルスタインですね」
「ええ、ウィンキーのね」
「黒と黄色の模様ですね」
「普通は白地で黒でしょ」
「はい」
神宝は自分達の世界のホルスタインのことからベッツイに答えました。
「そうです」
「けれどここはウィンキーだから」
「ホルスタインも白じゃなくてなんですね」
「黄色になるの」
「それで他の国ではですね」
「それぞれの色になるのよ」
ホルスタインもというのです。
「それでミルクもね」
「黄色ですね」
「そう、ウィンキーの国の色になるから」
「そういえばマンチキンのプティングは青ですね」
ナターシャが言ってきました、ここで。
「そしてウィンキーのプティングも」
「黄色なのよ」
「そうですね」
「そう、それぞれの国の色になるのよ」
「それがオズの国の特色ですね」
「ええ、ただね」
ベッツイはナターシャ達にこうも言いました。
「基本の色はそれぞれだけれどその人がそうしたい色にもなれるのよ」
「ウィンキーでも黄色以外の色にですね」
「なれるのよ」
「それでかかしさんもですね」
「そうよ、あの人の服は青いでしょ」
「はい」
マンチキンの色です、かかしが生まれたその国の服と帽子、それにブーツを今も着ているのです。そしてその中に藁を積めています。
「そのことはかかしさんが望まれているからですね」
「他の人や生きものも同じよ」
「そうでありたいという色であれば」
「ウィンキーでも他の色でいられるのよ」
そうだというのです。
「だから貴女達もなのよ」
「黒だったりピンクだったり」
「赤や青だったりするのよ」
ベッツイは五人の服も見てお話します。
「そうなのよ」
「そういうことなんですね」
「オズの国はそうした国でもあるの」
「自分がどうか、ですね」
「そうよ、それぞれの色にもなれる」
「だから私もなのよ」
ここでアンが言ってきました。
「今は黄色い軍服だけれどね」
「オズの国を征服しようとされた時は緑でしたよね」
「外の国のことは知らなかったけれど」
例えウィンキーの国にあってもです。
「気取りだったでしょ」
「はい」
「色は重要だけれど絶対かというとね」
「そうでもないんですね」
「木樵さんだって黄色じゃないじゃない」
ウィンキーの皇帝であるこの人も
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