暁 〜小説投稿サイト〜
DIGIMONSTORY CYBERSLEUTH 〜我が身は誰かの為に〜
オープニング
Story1:出会いは意外かつ突然に
[3/11]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
チャットルームに入ってきた時の効果音だ。
 しかしこれは可笑しい。何故ならこのチャットルームには、利用者全員がいるのだから。今更新しく誰かが入ってくることはない筈なのだ。

 俺がそう考えている、その時。
 ガリッ…と。画面に映るチャットルームの床に、突如として何かが飛び出した。

 何事か、と凝視すると、床から出てきたのは鋸(ノコギリ)のようなものだった。
 そしてそれが少しずつ、円を描くように動き、一周しきるとパカッと蓋が開くように床が開いた。

 次の瞬間、出来上がった穴から何か―――『ナビットくん』が飛び出してきた。

 『ナビットくん』とは、EDENの公式マスコットのことだ。
 ラグビーボールのような形の頭に、下先になるほど細くなっている体。いかにも電子系のマスコットキャラクターと言った感じのものだ。


『やあやあ! みなさんこんにちわ!』


 そんな公式マスコットが、何故チャットルームに入ってきたのか。みんなが疑問に思っている中、アッキーノの言った『ハッカー』という単語に反応して話し始めた。


『そうだよ、ぼくナビットくんだよ! ハッカーだよ! きみたちにすてきなプレゼントがあるんだ! あしたEDENにログインしてね! ぜったいだよ! ログインしてくれなきゃ、ハッキングしちゃうよ!』


 ナビットくんはそう言うと、俺達に有無を言わせずに「じゃね★」というと出てきた穴から落ちていき、そのままログアウトしてしまった。
 本物のハッカーか否か、いや誰かの悪戯だ。突然のことにほとんどの者がそう思ったようだ。先程のナビットくんの言葉を真に受けていないようだ。

 しかしここで、一人だけぶっ飛んだことを言ってのけた。


『オモシロそうじゃん!? いってみよ!!』


 アッキーノだ。ギャルのような発言を多々している彼女は、先程のナビットくんの発言を面白がってか、はたまたハッキングされるのを恐れてなのか、そう発言してきた。まぁ今までの会話を考えるに、十中八九前者だが。
 だがアッキーノのこの発言には、誰も反応を示さず、チャットルームには一瞬の沈黙が流れた。


『あれ!? ひょっとしてみんなビビっちゃってる!?w』

『アッキーノ、本気で言ってるのか?』

『そうだぞ、相手が本当にハッカーだったらどうする気だ?』


 沈黙を貫いたのは、やはりアッキーノ。皆を煽るような発言に対して、俺は彼女の真意を確認するような発言をする。同時に、兄貴分なところのあるブルーボックスも、彼女を心配してか、彼女を止めるような発言をした。
 しかし彼女は「EDENのプロモ」、「ホンモノのハッカーのほうがおもしろそう」など言って、引く気はないようだ。


『…止めてもムダみたいだ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ