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遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ターン27 鉄砲水ともう1つの『真紅』(前)
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ないけどね。

「だからなのかね、今だってデュエルそのものは全然怖くない。でも、それは勝負を諦めたからじゃないんだ。僕は、このままここで勝つ。アーチャー、ラブカをリリースしてアドバンス召喚!天をも焦がす神秘の炎よ、七つの海に栄光を!時械神メタイオン、降臨!」

 時械神メタイオン 攻0

 神の炎を巻き上げる、僕の第2の神。あの事故の後でもまだ生き続けている僕が見つけた、新しい可能性のカード。バルバロスには装備モンスターと戦闘する相手の効果を無効にする厄介な装備魔法、レインボー・ヴェールが仕掛けられている。だけど、ペンドラゴンを狙えばそんなことは気にしなくていい。この一撃で、勝負を振り出しに戻してやる。

「バトル、メタイオンでペンドラゴンに攻撃!」
「この瞬間、墓地から絶対王 バック・ジャックの効果発動ー!このカードを除外してデッキからカードを1枚確認、そのカードがトラップカードだった場合、フィールドにセットしてそのターン中に発動できるよー」
「相手ターンにデッキからトラップ!?だ、だけど、メタイオン先生は戦闘でも効果でも破壊できない!」

 バックパックを背負ったロボットのような半透明のモンスターが浮かび上がると、その右手の肘から先のあたりがみるみるうちに赤熱していく。遊のデュエルディスクにその右手を置き、そこからカードを1枚引きぬく。そのカードを、ゆっくりとこちらに向けた。

「ドローカードは……強制脱出装置を発動!」
「なっ!?」
「この効果はわかってるよねー?破壊じゃないよ、メタイオンをバウンスさせてもらおうかなー」

 さっきアドバンス召喚のリリースに使ってしまったため、僕のフィールドにはもうモンスターがいない。手札にもたった今戻されたメタイオン先生と、最初からいるツーヘッド・シャークしかない。これ以上できることは何一つないし、どうやらこんなところで年貢の納め時なようだ。

『マスター……』
「死にたくはないさ。ないけど……さすがに何にも思いつかない、かな」
「さあ、準備はいいかなー?僕のターン、一応カードを引いて〜っと。バトル、ペンドラゴンでダイレクトアタックー」

 まだバトルフェイズにも入っていないのに黒い龍が口を開くと、徐々にその口の中にエネルギーがたまっていくのがよくわかる。ああ、僕の人生のエクストラターンもここで終わりなのか。走馬灯みたいなものが見えてくるかと思ったけど、特にそういったものは見えてこなかった。

「結局、エクストラデッキなしでも遊びにすらなんなかったかー。もう一回言わせてもらうよ、バトル。ペンドラゴンでダイレクトアタックー」

 ……こりゃ、本気でダメだな。ここまでシャレにならない状況に追い込まれれば少しぐらいは僕も焦りだすかと思ったけど、むしろどんどん気持ちが落
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