ターン27 鉄砲水ともう1つの『真紅』(前)
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の驚きを表現してもいいんだよー?」
「魂……?」
よくわからないワードに眉をひそめる。だが、チャクチャルさんには意味が通じたらしい。いっぺんに苛立った様子で、男に詰め寄る。
『なぜ生きている、などと聞く気はない。貴様、ここに何をしに来た?三幻魔はもっと奥地だぞ』
「だーから言ったでしょ、時間つぶしだよ時間つぶし。正直、今の僕のトップに対してはこっちも頭が上がんなくてねー、三幻魔は譲れないのよ」
危険だ。この二人が何を話しているのかは、正直よくわからない。つまりこいつは誰で、何が目的で三幻魔を集めたがっていて、チャクチャルさんとはどういう関係なのか。こういった特に知りたいところについては何ひとつわからないけど、この男の目は凄く危ない感じだ。何をしだすかわからない、近くにいては危険すぎるタイプだ。だけど、逃げ出すこともできないだろう。そんなへまするタイプには見えないし、そもそも僕だって尻尾巻いて逃げるなんて願い下げだ。
『時間つぶし?なるほど、読めてきた。お前の他に最低もう一人、封印を解きにかかっている存在がいるわけか。そうでもなければわざわざこちらを排除しに来るよりも全力で解放に力を注ぐだろうからな』
「ありゃりゃ、参ったねーこりゃー。全く鋭いもんだよ、ボロ出したつもりはないのにどんどんこっちの秘密がばれてっちゃう。でも、それでー?だったらどうするのー?」
独特な語尾を伸ばす調子のイントネーションを何度も聞いているうちに、これまで感じていた不気味さとは別に何か思い出してきた。この喋り方、それにこの声。確かにこいつの言うとおり、どこかで一度僕はこの男に会ったことがある。そしてその時なにか、すごい理不尽を感じたような。
『決まっている、貴様にはこの場でいつぞやの借りを返す。マスター、少し下がってくれ』
「やなこった。悪いねチャクチャルさん、僕も何となく思い出してきたんだ。お前が僕に何をしたのかまではまだ思い出せないけど、それでも受けた借りは返す。やられっぱなしは性に合わないんでね」
「ご立派ご立派〜。いいよ、その勇気に免じてハンデをつけよう。今回僕は、エクストラデッキを使わない……ってのはどうかなー?ああ、答えなくていいよ。それぐらいしないと遊びにすらならなさそうだしねー。それと、僕の名前は遊。せっかくだから覚えておいてよー」
エクストラを使用する、つまり融合デッキか。だけど、それで融合を使わないとはどういうことなのか。融合素材のモンスターだけのデッキでやっと遊びとは、僕もずいぶん舐められたものだ。
『違うマスター、そういうことじゃなくて……』
「なんだっていいね!それじゃあ、デュエルと洒落込もうか!」
「「デュエル!」」
いつも通りにカードを引く。どんな不気味なデッキを
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