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SAO−銀ノ月−
第七十九話
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れば分かることだった。

「こーいう時に限って、菊岡さん――クリスハイトの奴は連絡がつかないし。逃げてるわよアレ、絶対」

 旧ショウキのような優男アバターの顔をした、菊岡誠二郎の分身ことクリスハイトのことを思い出しつつ、最近連絡がつかないことをリズは愚痴る。ショウキにキリトが話してくれないなら依頼主から、と思っていたものの、最近ALOに来る気配もない。

「うん……でもしょうがないよ。今はキリトくんたちのこと、信じよ?」

「やっぱりそうなるかぁ……」

 結局、結論はこれ以外に存在しないわけで。リズはアスナの出した言葉に空を仰ぐと、店内に設置された掲示板が目についた。そこには《MMOトゥデイ(仮)》の――まだ名前は決まっていないらしい――ALOに関する記事が表示されており、アスナもそこから一つの記事を見つけた。

「《天使の指輪》クエスト……あっ」

 大々的に載っている新たに追加されたクエストに、アスナは何か得心がいったかのように頷くと、リズはアスナの方から目を逸らした。しかしアスナはそれには構わず、あらぬ方向を眺めているリズに話しかけた。

「あのクエスト、ショウキくんと行く予定だったんでしょ!」

「むっ……」

 ――図星だった。《天使の指輪》クエストとは、旧アインクラッド時代に実装されていたクエストであり、復刻版としてALO風にリメイクして追加されたものの一つだった。故に旧SAOプレイヤーである彼女たちは――とりわけ攻略組だったアスナには――馴染み深いクエストだった。

「《天使の指輪》かぁ……アインクラッドで一緒に取りに行ったのに、あの時はショウキくんじゃなくて、私と交換しちゃったもんね?」

 ニヤニヤとした緩んだ表情のまま、アスナの嬉しそうなアスナの追求は続いていく。《天使の指輪》クエストとはその名の通り、報酬アイテムとして《天使の指輪》が手に入るのだが……その効力は、ひと月に一度だけペアリングに言葉を送ること。フレンド登録をしていれば、ダンジョン以外でならいつでも連絡が取れる仕様のアインクラッドにおいて、正直それだけではいかんともしがたい。

 しかし、それ故にある種のロマンチックさを感じさせ、プレイヤーたちからの人気は悪くなかった。あるプレイヤーは友情の証として、あるプレイヤーはただのレアアイテムとして、あるプレイヤーは親愛の証として。当時はリズもそのクエストをクリアした……のだが、ショウキには渡せず、結局アスナと交換していたのだった。

「いーわよ、別に。シリカにリーファ連れてくんだから……あ、シリカって言えばさ」

 口では「別にいい」と言いながらも、表情では不満を隠さぬままに――そして今回はリベンジとばかりに誘っていたものの、あえなく今回のことが重なってしまい。せっかく
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