world war8−『ゴースト・ティアラ』−
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「−−憑依『ラン』」
−−それは、かの世界で『鮮血』と呼ばれた少女の名。
圧倒的な技量で悪を裁く、仲間を守って天命を終えた、絶対なる強者の名。
全てを喰らう漆黒の闇が、引き裂かれた。
同時に、ましろの姿が掻き消える。
気が付けば。
ましろは既に、『 』の前に到達していた。
「−−なっ!」
「せいやっ!」
神速の連撃。以前のましろとは比べ物にならない、速く、重い剣。
即座に『 』が展開した結界すら容易く斬り裂き、その剣は『 』の右腕を落とした。
「ひゃっほう!」
まだ、終わらない。
舞い散る火花が亜空へと消える。残る残光が『 』を抉る。無限機構の如く、その剣舞は止まる事を知らない。
「嗚呼ああぁぁぁッ!」
『 』の体から、闇が噴き出した。
解き放たれた闇はましろを覆い、そして収束し−−
凍りついた。
「−−憑依、『セイ』」
それは、かの世界で『氷帝』と呼ばれた少年の名。
辛き運命の果てに、その命を賭して大衆を救った、裏側の英雄の名。
ましろの瞳が蒼く染まり、肌を刺すような冷気が空間を覆う。
「−−『凍土世界』ッ!」
世界が止まる。
時が、凍ったかのように。
天が、息を止めたように。
地が、深く眠ったように。
現世を、絶滅の氷が覆い尽くした。
『 』の体が凍てつく。
何もかもを分断するその剣が、しかしその氷を斬り裂けない。
氷麗が、『 』の体を幾重にも貫いた。
「ぐぅぅッ!」
『 』はその氷を砕く。
絶対者としてのステータスで。管理者としての権限で。強者としての力量で。
その束縛を打ち砕く。
「があっ??」
そして、『 』の腹部を、万華鏡のように輝く光の槍が貫いた。
「──《惟神》──
《 憤怒》 」
《主》の放ったその槍は、今度は確実に『 』の急所を突いていた。
致命傷を与える、絶対なる一撃。
さらにそれを決定づけるかのように、『 』の両足を不可視の斬撃が斬り落とした。
「−−『万世両断』」
天冠の放つそれは、以前よりもその速さと切れ味を増している。それも格段に。
「−−『機械仕掛けの神の悪夢』
追い打ちにと降りかかる流星群が、『 』の体に幾つもの風穴を開ける。
非実体化しようが、その流星群は虚を貫き、無視される事は無かった。
一対一ならば、『 』の敗北は無かっただろう。
しかし、一人でも手こずりはする相手が三人。それが、一人増えて四人。
どう考えても、部が悪い。
「−−『|空ろの虚ろの移ろの
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