マブラヴ
ゲート 自衛隊彼の地にて、斯く戦えり
0992話
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わないが、それでも私達が戦うべき相手だ。実感というものは大事にした方がいい」
「……そうだな。確かに一度その辺は経験しておいた方がいいか」
俺とスレイの話の内容で、自分がどんな目に遭うのか分かったのだろう。俺の腕を抱きしめながら美砂は嘆く。
「うわぁ……藪蛇だわ」
「まぁ、あの匂いは一度嗅げばそうそう忘れる事が出来ないというのは、私が保証しよう」
笑みを浮かべるスレイの様子に、薄らと嗜虐的な色が見えたのは俺の気のせいではないだろう。
「ともかく、フェイズ5のハイヴなんだから、半径30kmもの広さがある場所でBETAの死体を探し出して地上へと移動させて、その後は使わないドリフトを埋め立てたりしなきゃいけないし、使う場所は使う場所で前線基地として使えるように整備もしないといけないからな」
しかもドリフトは色々な意味で曲がりくねって迷路状態になっているからな。それを把握するだけでも一苦労だろう。
俺と同じ感想を抱いたのだろう。シェリルが心底嫌そうな表情を浮かべながら口を開く。
「うわ。半径30kmの迷路とか、どんなのよ。あたしはそんなのごめんね。……ま、アクセルがどうしても一緒に行って欲しいって言うなら、考えないでもないけど」
「あ、ちょっと。シェリル、ずるいわよ。それなら私だって……」
美砂とシェリルが俺を挟んで言い合いをしているのを眺めつつ、これからの事を考える。
今回のオペレーション・ルシファーで援軍を出してきたミンスクハイヴ、敦煌ハイヴ、マンダレーハイヴ。……この3つの中でも、マンダレーハイヴ以外の2つは大氾濫の時にもBETAを出したハイヴだ。続けて2回も……それも出したBETAの殆ど全てが皆殺しにされたと考えると、間違いなく戦力は減っている筈だ。
マブラヴ世界の国々としては、出来ればこの2つのハイヴを戦力が減っているだろう現状で、BETAが補充される前に攻略したいところだろう。
特にその2つの内の敦煌ハイヴは、オリジナルハイヴであるカシュガルハイヴのすぐ近くにあるのだから、橋頭堡的な意味としてはこれ以上ない位置にある。
そこの戦力が手薄になっているのだろうから、その気持ちは当然分かる。
けど、純粋に戦力がないってのも事実なんだよな。
今回のオペレーション・ルシファーで、3つハイヴを手に入れ、その整備や守備戦力という意味でも現在のマブラヴ世界はカツカツの状態だ。
いや、寧ろ人手や戦力も足りない可能性すらある。
……もし本当にそんな事になったりしたら、折角攻略したハイヴをBETAに取り戻される可能性すらある、か。
もっとも、この世界の住人にしてもさすがにそこまで愚かではない筈だ。恐らくBETAがハイヴを取り戻そうとして動き出せば、俺達に援軍の要請が来る筈だ。
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