第3話:池のひみつ
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がピチャリと跳ね、すぐさま水面下に潜った。
しかし、その魚の顔の部分は奇妙に変形していた。
「さてと…、オバチャンが来る頃かな?」
少年が体を拭きながらアンヌが来る方向を見た。
「草ボーボーね、この辺は誰もこないのかしら。」
人気の無い道…、何故、他人が釣った魚を勝手に逃がして、更に、誰も来ないような池の奥へと少年が泳いで行ったのか?
アンヌは大きな疑問を抱きながら藪で荒れた獣道を奥へとかき分けながら進んだ。
やがて、少年が池から上がったであろう、ところどころ濡れている岸辺に辿り着いた。
「どこ行ったのかしら?」
アンヌが辺りをキョロキョロ見渡した。
その時!
『…ガサゴソ!』
草陰から何かが近付く音がして、アンヌは反射的に振り向いた!
そこには…、
『シャーッ!』
「きゃあああ!」
先程見た蛇によく似た蛇がアンヌを睨み付けていた。
突然現れた蛇にアンヌが腰を抜かした。
「フフン、ダッセェばばあ!」
無機質の部屋の中、まるで蛇からアンヌを見たかのような映像を巨大なスコープで眺めている先程の少年がいた。
「おもちゃ程度の蛇でビビるなよ、ウルトラマチュアのオバチャン!」
アンヌがウルトラマチュアと同一だと言う事をこの少年は知っていた。
そして、ラジコンのコントローラーのようなもので蛇を操ると、蛇を池からS村から反対方向に進ませた。
「やだぁ…、も〜おぅっ。蛇ばっかり…。」
アンヌも蛇に辟易していたが、蛇が進んだ方向に何やら人工の物体を見つけた。
「何?」
アンヌが恐る恐る近付くと、それは高さ5m、幅10mの大きさの八角形の円盤だった!
「ま、まさか…、これが龍神の正体!?」
アンヌが遠くから窺うと、円盤の側面が開き、中から先程の少年がアンヌに向かって顔を覗かせた。
「え!な、何?君?」
アンヌが固まると、少年は再び円盤の中に入った。
「あの子まさか…、宇宙人?」
ウルトラピストルズを抜いたアンヌが円盤の中に入った。
中はコンクリート剥き出しの様な何もない無機質の部屋であった。
アンヌが周りを見渡したその時!
「…ッ!」
『バタンッ!』
円盤の入口が閉まり、アンヌは中に閉じ込められた!
「しまった!ワナだわ!」
アンヌが堅く閉ざされた入口を何度も思い切り叩いたが、入口が再び開く事がなかった。
…更に!
『シュウウウウウ!』
「ゲフッ!ゴホッ!ゴホッ!…。」
部屋いっぱいに充満するほどのガスがアンヌにまとわりついた!
「しまった!…さ、催眠ガスね!」
部屋中に充満した催眠ガスによってアンヌの動きが覚束なくなり、やがてアンヌは倒れた。
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